家賃収入にかかる税金の計算。所得額で違う税率や控除について解説



通常、家賃収入は毎月発生します。そして、家賃(収入)から不動産経営にかかった経費を差し引いたものが所得といわれます。


今回は、この所得とそれにかかる税金について解説します。


家賃収入は不動産所得として課税対象になる


まずは家賃収入と経費について詳しくみていきましょう。


確定申告が必要になる場合とは


個人で不動産賃貸経営をする場合には、国税である所得税、地方税である住民税、そして一定規模以上は事業税(白色申告のみ)が、対象となる税金にあたります。


基本的な考え方として、賃貸経営を副業として行うサラリーマン投資家などは、給与以外の所得が年間20万円を超えると、税金がかかります。年間20万円の金額は、家賃収入だけではなく雑所得も含めた合計の金額です。


この場合には、確定申告をして納税する必要があります。


融資利用や手直し費用などにより賃貸経営が赤字であっても、家賃と雑収入の合計が年間20万円を超えれば申告が必要であると理解しましょう。


控除できる経費


家賃(不動産所得)から差し引くことができる経費については、税法で細かく決められています。具体的に13個の経費をご紹介します。


1.土地建物に関する税金に関するもの


新規取得時の登録免許税や取得税のほか、毎年賦課される固定資産税・契約書の貼付する印紙代など


2.建物減価償却費


建物は時間経過で価値が減少していきます。取得費用から、税法で定められた耐用年数期間に応じて費用計上し、会計処理できます。


取得費用(新築建築費・中古賃貸取得費など)に対して建築種別により異なる耐用期間(RC47年・SRC34年・木造22年など)が定められています。


耐用年数は建築物の用途や骨格材の厚みなどにより細かく分類されています。詳しくは国税庁HPなどで確認しましょう。


なお、減価償却計算には以下の2つの方法があります。

①定額法(法定耐用年数の期間で毎年同額を償却する方法)

②定率法(毎年末償却の金額から一定の割合で償却する方法)


いずれの計算方法も選択することができますが、不動産賃貸経営を始めた翌年の3月15日までに所轄税務署長に減価償却方法を届け出しなければ定額法に限定されますので注意が必要です。


3.管理費


管理会社へ管理委託した場合の委託費・手数料など


4.修繕費


破損修理や賃借人交代時の手直し費用(クロス補修や住設機器交換など)


5.水道・光熱費


賃貸住宅に関しての水道・光熱費(共用廊下電灯など)


6.損害保険料


火災・地震保険など


7.交通費


賃貸不動産取得や経営管理に要する電車運賃やガソリン代など


8.通信費


賃貸管理に要した通信費


9.融資手数料及び融資利息


融資を利用して賃貸不動産を取得した場合に要した手数料のほか、返済金額のうち利息部分について経費算入できます。


10.司法書士・税理士への費用


取得時の登記費用のうち司法書士の報酬部分や、確定申告を税理士に委託する場合の税理士報酬部分


11.天災のよる損傷


地震や自然災害により損害が生じた場合に経費算入できます(青色申告者のみ)


12.青色事業専従者給与


ご家族が専従して賃貸経営する場合の給与(青色申告者のみ)


13.未回収家賃


未回収の家賃(青色申告者のみ)


経費算入できない、よくある間違い


確定申告時によくあるケースとして、経費算入できない費用を算入してしまい、税務署に指摘されることです。ここでは、先述の控除できる経費について、よくある間違いについて説明します。


1.融資手数料及び融資利息


あくまでも月々の返済額のうち、利息に該当する部分のみが経費です。月々の支払合計額ではありません。


2.水道光熱費・修繕費・交通費のうち個人使用によるもの


賃貸経営に関連していない個人使用の経費は一切、経費には認められません。善意・悪意を問わず確定申告時に指摘されることが多い部分です。


3.土地・建物に関する税金


賃貸経営に関係の無い、賃貸経営者個人の取得税や住民税などを経費算入しようとするケースがあります。賃貸経営に直接関係の無い税金は、経費ではありません。



家賃収入と税金、それぞれの計算方法


初めての申告では勝手が分からず、戸惑うことが多いものです。賃貸経営を個人として行うのか、法人として申告するかによっても計算方法が変わってきます。


ここでは、基本的な考え方について説明します。


白色か青色か、申告方法を検討する


賃貸経営の確定申告には青色と白色の2種類があります。


但し、賃貸経営の開業から2か月以内もしくは白から青色への変更を希望する場合には翌年(変更年度)の3月15日までに申請しなければなりません。


白色申告は、簡易な帳簿記録だけで申告が可能ですが、基礎控除以外の控除が使用できません。


一方で青色申告は、基礎控除に加えて特別控除なども利用できます。

青色申告では、賃貸経営が事業規模と認められるので、不動産所得から最大で65万円(特別控除)控除することができます。しかし、帳簿の記載にはそれなりの税務知識が必要です。

どちらを選択するかは、ご自分の賃貸経営の規模で判断されるとよいでしょう。


家賃収入は、申告方法を選択したうえで利益を不動産所得として計算し、所得税(総合課税)と住民税を納めます。


家賃収入の計算と税金


具体的な家賃収入の計算方法や税率などをみてみましょう。


1.不動産所得を計算する


不動産総収入は、家賃収入だけでは無く、賃貸経営に付随する所得(礼金・敷金・更新料・駐車場賃料など)を合計します。


(計算式)

不動産総収入-必要経費=不動産所得


2.所得税を計算する


所得税は総合課税(給与所得など、他の収入と合計して合算する)です。したがって、所得の合計を計算します。


(計算式)

その他所得(給与所得など)+不動産所得=総合課税(所得)


3.総合課税(所得)に対する税率を確認する


総合課税は累進課税(所得が多くなるほど税率が増える)が採用されます。自身の課税所得から税率を確認しましょう。

4.住民税を計算する


総合課税で計算された所得額に対して、一律で10%の住民税(県民税4%・市町村民税6%)が課税されます。


それ以外にも、不動産所得が290万円を超えると個人事業税(税率5%)が課税されます。

また、居住用家賃には消費税は課税されませんが、倉庫や事務所(非居住用)の家賃収集には消費税が課税されます。



家賃収入の節税対策は出来る?4つの税金対策


賃貸経営の目的は、利益を得ることです。しかし、上手に節税しなければ、まるで税金を納める為に賃貸経営している、ということになりかねません。


先述のように、不動産賃貸収入は総合課税となるため、通常収入と合算した総合所得に対して累進課税が適用されます。ここでは正しく節税するための基本的な考え方を説明します。


4つの税金対策とは?


①経費は漏れなく計上する


先述の13種類の経費について、領収書などを定期的に整理して漏れなく計上しましょう。


②青色申告を検討する


帳簿作成の煩雑さや、知識不足もあって白色申告のままで賃貸経営されている方を多く見かけます。しかし、白色申告の場合には38万円の基礎控除しか使用できません。少しでも税金を抑えたければ、青色申告を検討しましょう。


青色申告特別控除は正規の簿記原則により記帳している場合に55万円または65万円(その他の場合には10万円)の控除が認められています。


青色申告にすると青色申告特別控除のほか、賃貸住宅の清掃業務や管理業務をご家族が行う場合には、青色事業専従者として給与を経費計上できます。また不動産所得が赤字となった場合には損失申告することにより、最大3年間の赤字繰り越しができます。

翌年から黒字となった場合に、繰り越し控除を適用できるメリットがあります。


③小規模事業共済加入を検討する


小規模事業共済とは国の機関である中小機構が運営する制度で、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などの積み立てによる退職金制度です。掛け金の全額を所得控除できるほか、低金利の貸付制度が利用できるなどのメリットがあります。


④法人化を検討する


経営規模によりますが、法人化を検討するのも検討に値する方法です。メリットとして、所得を役員報酬として家族で分散できます。また全体の財産増加を分散するなどのメリットがあります。あわせて法人化による金融機関の信頼度が増加するなどの効果は見逃せませんが、設立や事業運営には相応の費用が必要です。現状の事業規模を検討して判断されると良いでしょう。


損益通算を利用する


不動産賃貸経営をする場合には、通常の所得と不動産所得を合計しての総合所得による確定申告が必要であることは説明しました。計算の結果、総合所得が赤字となる場合には損益通算により通常所得(給与など)ですでに源泉されている税金の還付を受けることができます。


もっとも本当に赤字になってしまっては賃貸経営をやるだけのメリットがありません。


節税4つの税金対策を理解して、正しく帳簿作成するようにしましょう。


経費算入の際には賃貸経営を効率よく行うための費用(セミナー参加費・情報交換会などの目的による飲食費・管理会社などの打ち合わせ経費)は、適切な処理を行うことにより経費計上できます。領収書は必要ですが、貰い忘れた場合などには日時・目的・場所などをメモしておく習慣をつけるほか、小口の出金伝票に記載しておきましよう。




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