自主管理でよくあるトラブル。大家さんが直面する問題とその対策とは



入居者対応や家賃回収など、賃貸経営に不可欠な業務を自ら行うことを「自主管理」といいます。自主管理には、管理委託手数料がかからないなどのメリットがある反面、入居者とのトラブルなどにも対応しなければなりません。


ここでは、自主管理で発生する家賃滞納や督促の対策や修繕や点検業務における注意点を詳しく解説します。


自主管理での家賃滞納や督促について


自主管理においては、家賃の滞納が発生すると大家が直接対応しなければなりません。


一度滞納が発生すると、続けて支払いが滞ることも多いようです。


家賃の回収から督促といった作業には専門的な知識が必要です。また、滞納者とは感情的に対峙してしまうこともあります。厳しく家賃の回収をしようとすると、法律に触れてしまう可能性もあるため、頭を悩ませている方も多いようです。


家賃滞納の主な理由を知ろう


家賃滞納の理由は、様々ケースが考えられます。


  • 単に支払い忘れていた

  • 病気で入院していた

  • 親の病気で実家に帰っていた

  • 旅行などの外出で支払えていなかった

  • お金がないまたは払う意思がない

  • 行方不明・音信不通 など


いずれにしても滞納が発覚したら、大家が何かしらの対応策を講じなければなりません。


家賃滞納の対応策


では、家賃滞納が発生した際には、どのような対応策が必要なのでしょうか。


・支払日を過ぎたらすぐに連絡する

家賃の滞納が発生したら、電話などですぐに連絡を取ることが重要です。最初の連絡が遅れると、入居者から「あまり大切ではないのか?」と軽んじられてしまい、家賃の支払いが毎月ルーズになる可能性があります。


入居者と連絡がつかない場合は、滞納している旨をポストに投函しましょう。その上で、滞納家賃をどう回収するかを考えなければなりません。


・分割での支払いが可能かどうかを打診する。

督促では支払期日を指定しますが、滞納分の家賃は分割すれば支払いが可能なのか聞いてみましょう。


・連帯保証人に連絡をする

連帯保証人は借主と同様に家賃の支払義務が生じます。したがって、連帯保証人について連絡と督促を行います。


借主が保証会社を利用している場合は家賃を立て替えてもらえるため、保証会社に連絡しましょう。


・法的手段の検討

督促を行っても支払いがない場合は、法的措置を検討します。ただし、家賃を滞納していることを理由に、直ちに退去を求めることはできません。一般的に契約解除事由に該当するのは、家賃滞納が3ヵ月以上続いているケースです。


解除を通告しても退去しない場合は、建物明け渡し請求を裁判所に申し立てることになります。


家賃滞納時の対応についてはこちらで詳しく紹介しています。

家賃滞納の発生から立ち退きの強制執行までの流れを解説


新型コロナウイルスの影響で家賃を滞納した場合


・住宅確保給付金を利用する

下記に該当する場合は、住宅確保給付金の制度があることをお知らせしてみるとよいでしょう。


・住宅確保給付金の概要

新型コロナウイルスの影響で、離職・廃業後2年以内である場合や個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合など、一定の条件で住宅確保給付金を申請することができます。(令和2年度中に新規申請して受給を開始した方に限り、令和3年1月1日以降は最長で12か月まで延長することが可能)


市区町村ごとに定める額上限に家賃額を原則3か月間(延長は1回まで最大9か月間)まで支給されます。


詳しくは、厚生労働省ホームページで確認ができます。

(参考:厚生労働省「住居確保給付金 制度概要」)


家賃回収で大家がやってはいけないこと


・家賃滞納者の部屋に立ち入って、請求する

借主の許可なく強引に部屋に入り、長時間の居座りや滞納の督促を行うと、不法侵入で罪に問われる可能性があるので、絶対にやめましょう。


・深夜の時間帯に督促の連絡や訪問

貸金業法21条では、午後9時~朝8時の督促やはり紙、立看板等で周囲の人に家賃滞納を知らせる行為や、1日に何度も督促する行為などが禁止されているので気をつけましょう。





自主管理の修繕や点検について


マンションの管理は、建物や設備を健全な状態に維持するために重要な業務のひとつです。定期的なメンテナンスを怠ると空室リスクも高まるので、日頃から建物の保守点検や維持管理が必要になります。


管理会社に委託すれば、管理会社のスタッフが定期的に巡回してくれるなどして、不備や問題点にも目が行き届きます。しかし、自主管理状態では、大家自身でカバーできていないケースも多く、細かい対応に悩んでいる方も多いのが現状です。


建物管理のポイント


・依頼する業者をあらかじめ決めておく

マンションには法定点検と任意点検があります。法定点検は、建築基準法や消防法、消防法、浄化槽法、電気事業法などに基づき、有資格のみが点検することができます。


定期的な点検を行うことで、設備の安全性を保つことが目的とされています。期日までに点検を行わず報告もなかった場合には罰則が発生する可能性もあるため、注意しましょう。


検査結果等は、市区町村や消防署などに報告することが義務付けられています。あらかじめ依頼する業者を決めておきましょう。


一方、建物のクラック(ひび割れ)、手すりのさびや腐食などを点検する任意点検は、自主的に行うもので日常の定期清掃や管理員による目視点検などがあります。建物の劣化や設備不良が見つかることがあるので定期的に行いましょう。


・常勤管理や日勤管理を雇う

どうしても管理業務まで手が回らない場合は、常勤管理や日勤管理、巡回管理を行う人を雇うのもひとつの方法です。


自主管理の退去・ 敷金精算について


入居者が退去(立ち退き)する際には、大家が立会う必要があります。部屋の傷や汚れなどを確認しながら、原状回復費用について誰がどの部分を負担するのか、業者と協議します。


原状回復費用の負担割合はトラブルになることが多いので、修繕個所は業者と話し合いながら明確な根拠を示さなければなりません。


この立会いにより敷金の精算金額が決まりますので、部屋の状況を細く確認する必要があります。


借主が負担する箇所は敷金から差し引くことになり、残金があれば借主に返還します。


退去時の注意点


・借主による明らかな傷・汚れは費用を請求する

借主の故意・過失による明らかな傷や汚れはしっかり修繕費用を請求しましょう。退去後に発見してから報告するとトラブルの原因になってしまいます。


・退去理由を聞く

借主から退去理由を聞いておきましょう。「上階の騒音問題に悩まされていた」「家賃が高い」「設備が古く、住み心地が悪い」などといった理由が聞けるかもしれません。

退去理由を参考に、改善点を見つけましょう。





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