不動産投資ローンの返済計画の立て方 | シミュレーション例と計算方法を紹介

不動産投資を成功させるためには、無理なく返済できるローン計画が重要です。
返済方法や金利タイプをしっかり理解し、適切な返済計画を立てることは、長期的な利益を確保するための重要な要素といえるでしょう。
ローンの返済計画を立てる目的や返済方法、シミュレーション例をご紹介します。
不動産投資のローン返済計画で失敗しないポイント
不動産投資でローンを借りる際は、無理のない返済計画を立てることが大切です。
返済計画を立てる上で重要な「ローンの返済方法」と「金利タイプ」について詳しく解説します。
ローン返済計画を立てる目的
不動産投資を成功させるために、綿密なローンの返済計画を立てることは以下3点からも重要です。
- 不動産投資ローンの返済方法を知る
- 不動産投資ローンの金利相場を知る
- 余裕を持った返済計画を立てる
1つずつ解説していきます。
不動産投資ローンの返済方法を知る
不動産投資のローン返済方法は、大きく2つあります。
- 元利均等返済
- 元金均等返済
元利均等返済
不動産投資におけるローン返済方法の1つ目は、元利均等返済です。
元利均等返済とは、毎月の返済額(元金と利息の合計)を一定にする方法のことです。毎月の支払い額が同じなので、資金計画が立てやすいといわれています。
元利均等返済のメリットは、毎月の返済金額が一定のため、収支計画が立てやすいことです。そのため、月々のキャッシュフローを安定させたい投資家にとっては、有効な選択肢となります。
さらに、返済当初の返済額が元金均等返済と比べて低く抑えられるため、ローンの返済負担を軽減したい投資家に向いています 。
一方、デメリットとしては、全体を通して利息の総額が多くなることです。特に返済当初は返済額に占める利息の割合が高くなり、元金がなかなか減少せずペースが緩やかになります。
元金均等返済
不動産投資におけるローン返済方法の2つ目は、元金均等返済です。
元金均等返済は返済する元金が毎月一定であり、利息はその時点の借入残高に応じて変動します。返済が進むにつれて毎月の返済負担が減少していくのが特徴です。
元金均等返済のメリットは、総支払い額が元利均等返済よりも少なく済む点です。毎月支払う元金が一定なので、返済額を占める利息の割合は徐々に少なくなっていきます。
返済期間が進むにつれて毎月の返済負担が軽減されるため、元金均等返済はライフステージの変化に対応しやすいという利点もあります。
一方、デメリットとしては、返済を開始した当初の返済負担が元利均等返済に比べて大きくなることです。特に借入金額が大きい場合、返済額の負担が大きくなるため、十分な返済能力が求められます 。
また、変動金利型ローンを選択した場合、金利が上昇すると利息が増加するため、返済額の減少幅が小さくなる可能性があります 。
不動産投資ローンの金利相場を知る
不動産投資で受けるローンは大きく3つに分類できます。以下の表にまとめました。
金利 | 相場金利(2025年5月時点) |
---|---|
変動金利型 | 0.7~0.9%台 |
固定金利型 | 1.82% |
固定金利期間選択型 | 10年固定の場合は1.5~2.0%台 |
まず、変動金利とは、市場の金利動向に応じてローンの金利が変動するタイプの金利です。借り入れ当初は、固定金利型よりも低い金利で借り入れが可能です。
次に、固定金利型とは、市場の金利動向に左右されず、借入期間中の金利が一定のタイプです。将来的な金利上昇のリスクがないため、安定した返済計画を維持したい投資家にとって、最適な選択肢といえるでしょう。
最後に、固定金利期間選択型は、借入する際に一定期間(3年、5年、10年など)の金利を固定します。期間終了後に変動金利型へ移行するか、再度固定金利期間を選択できるタイプの金利です。
余裕を持った返済計画を立てる
不動産投資で融資を受ける際は、返済方法と3つの金利タイプを理解して、融資金額を毎月無理なく返済できる金額に抑えることが重要です。
注意点としては、2つあります。
- 空室期間を考慮する
- 退去後の修繕費用
賃貸物件は、空室があると得られる収入がなくなり、ローン返済のみ発生します。また、入居者が退去した後のクリーニングや設備の交換費用は、ほとんどの場合大家さんが負担することになります。
これらの注意点を踏まえた上で、余裕を持った返済計画を立てると、不動産投資の成功確率を高めることができます。
不動産投資のローン返済シミュレーションで必要な情報
不動産投資のローン返済のシミュレーションをする上で必要な情報をご紹介します。
- 借入金額
- ボーナス返済元金
- 返済期間
- 金利の割合
- そのほか必要になる情報
1つずつ解説していきます。
借入金額
借入金額とは、物件の購入価格から自己資金を差し引いた金額のことです。
借入金額が大きくなると、その分利息も大きくなるため毎月の返済額や総支払い額も増加します。そのため、毎月の返済負担額や総支払い額を抑えたい場合は、可能な限り自己資金を多く用意しましょう。
また、借入金額は年収や勤続年数、金融機関などによって異なります。利用を考えている金融機関でどのくらい借り入れができるのかを確認することが重要です。
ボーナス返済元金
ボーナス返済元金とは、毎月の返済金額に加えて、ボーナス月に上乗せして返済する元金のことです。
この返済方式を選択すると、毎月の返済額を抑えることができます。しかし、ボーナスは個人の経済状況や会社の業績により変動する可能性があります。
さらに、ボーナスの支給がなかった場合、ボーナス月の返済負担が大きくなるため注意が必要です。
ボーナス返済を利用する際は、シミュレーションを十分に行い、自分の支払い能力に見合った金額を設定しましょう。
返済期間
不動産投資のローンを借りる上では返済期間も重要です。
返済期間が長いほど毎月の返済額は少なくなりますが、利息の総額は多くなります。一方、返済期間が短いと毎月の返済額は多くなりますが、利息の総額は少なくなります。
返済期間を設定する際は、毎月の返済額と利息のバランスを考慮することが重要です。
金利の割合
金利の割合とは、借入金額に対して利息として支払う割合のことです。前述したように3つのタイプがあります。
- 変動金利型
- 固定金利型
- 固定金利期間選択型
複数の金融機関で金利を比較し、できるだけ低い金利で借り入れるようにすることが返済負担の軽減につながります。
変動金利の場合、返済当初は金利が低くても将来的に上昇すると、返済額が増加するリスクがあるため、慎重に選ぶ必要があります。金利変動のリスクも考慮し、自身の投資戦略や返済額に合わせて適切なタイプを選択しましょう。
そのほか必要になる情報
より詳細な不動産投資ローンの返済シミュレーションを行うためには、以下の情報を考慮することが重要です。
- 家賃収入
- 管理、修繕積立金
- 固定資産税
空室率を加味した家賃収入、物件の管理費や修理費、固定資産税といった経費も計算することで、より現実的なシミュレーションが可能になります。
不動産投資ローンの計算方法
最後に、不動産投資でローンを活用する際の返済金額を計算していきます。
今回は元利均等返済で借りる想定で計算するため、以下の計算式となります。
計算が苦手という方や気軽にシミュレーションしたい方は、ローンの返済額を計算できるアプリやサイトを活用することで簡単に求められるでしょう。
借入額3,000万円で返済期間30年・金利2%の場合
まずは、ローンの返済期間が30年と想定したシミュレーションです。
ローン借り入れ条件
- 借入金額:3,000万円
- 返済期間:30年
- 金利:2%
- ボーナス返済:なし
毎月の返済金額と総返済金額、利息は以下の通りです。
毎月の返済金額 | 利息 | 総返済金額 |
---|---|---|
110,885円 | 9,918,769円 | 39,918,769円 |
借入額3,000万円で返済期間25年・金利2%の場合
次に、返済期間を25年に短縮した場合のシミュレーションです。
ローン借り入れ条件
- 借入金額:3,000万円
- 返済期間:25年
- 金利:2%
- ボーナス返済:なし
毎月の返済金額と総返済金額、利息は以下の通りです。
毎月の返済金額 | 利息 | 総返済金額 |
---|---|---|
127,156円 | 8,146,723円 | 38,146,723円 |
借入額3,000万円で返済期間20年・金利2%の場合
次に、返済期間を20年と短縮した場合のシミュレーションです。
ローン借り入れ条件
- 借入金額:3,000万円
- 返済期間:20年
- 金利:2%
- ボーナス返済:なし
毎月の返済金額と総返済金額、利息は以下の通りです。
毎月の返済金額 | 利息 | 総返済金額 |
---|---|---|
151,765円 | 6,423,456円 | 36,423,456円 |
上記のシミュレーション例からもわかる通り、借入金額が同じでも返済期間を短くすると以下のメリットがあります。
- 毎月の返済金額が大きくなる
- 返済総額は大きく抑えられる
見込の家賃収入や経費に応じて、投資ローンの借り入れ条件を検討することが重要です。
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