賃貸アパートは自主管理か管理委託か。大家が知るべきそれぞれのメリット

昨今では、不動産投資専門の個人事業主だけではなく、一般の会社員でも本業のかたわらで賃貸アパートを運営して副収入を得るという方が増えてきています。
賃貸アパートを運営する際に注意するポイントとしては、賃貸物件を購入するだけで投資が終わったわけではないということです。
購入した賃貸アパートは管理をしなければいけません。管理方法は大きく分けて「自主管理」と「管理委託」の2つが挙げられます。
自主管理と管理委託の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
賃貸アパートの自主管理と管理委託の違い
まずは、自主管理と管理委託の違いについて紹介します。
物件のオーナー自らが管理業務を行う自主管理
賃貸アパートの大家が自分で管理業務を行う自主管理では、主に下記6点の業務を自ら行う必要があります。
-
- 所有する賃貸物件への入居者募集
- 賃貸契約の締結
- 家賃の入金管理
- 設備の修繕や補修
- 入居者同士のトラブルやクレームへの対応
- 退去時の立ち会い
他にも、アパートの掃除や、家賃の支払いが遅れていた場合の催促や督促などの業務も、原則として自分で行うのが自主管理の特徴です。
外部に委託することがなければ、別途で費用が発生するということはありませんが、その代わりに24時間365日いつでもオーナー自らが対応する義務が発生します。
そのため、本業の傍らに賃貸アパートの大家として不動産投資をしているという場合は、一人ですべての業務をこなすのは非常に困難です。
また、賃貸物件を管理するノウハウを持っていない場合は、入居者の不満がたまってしまうこともあり、退去されるリスクも高まります。
管理料金を節約するために自主管理を選択する大家の方も多いですが、管理料金を節約して空室が多くなると元も子もありませんので、バランス調整が大切です。
物件の管理を管理会社にすべて任せる管理委託
管理委託は、管理会社に賃貸物件の管理を大家に代わって任せるものです。
一般的には、管理会社に賃料の3%~5%程度を支払うことで、上記の自主管理で紹介した業務を行ってもらえます。
その他にも、アパートやマンションを棟単位で所有している場合は建物の修繕や点検なども任せることもできますので、大家が何かの業務を担うということがありません。
そのため、会社員や本業に従事しながら不動産投資で収入を得たいと考えている場合は、自主管理よりも管理委託が現実的な選択といえそうです。
自主管理のメリット・デメリット
こちらでは、賃貸アパートを自主管理するメリットやデメリットについて紹介します。
大家としてのメリットやデメリットというと、手間やお金に関する部分が多いように思われがちですが、それ以外にもさまざま面でポイントがあります。
自主管理のメリットとは
賃貸アパートを自主管理するメリットとしては、主に下記の3つが挙げられます。
-
- 管理委託よりも費用を安く済ませることができる
- オーナーと居住者の距離感が近いためにコミュニケーションが取りやすい
- 修繕やトラブルが起きた際の業者を自由に選ぶことができる
主に金銭面でのメリットが多くなっていることが特徴的です。
・管理委託よりも費用を安く済ませることができる
管理に関する費用についてですが、管理委託とは異なり自主管理の場合はすべての業務を自分でやるかわりに、管理会社へ支払う費用は一切必要ありません。
・オーナーと居住者の距離感が近いためにコミュニケーションが取りやすい
オーナーと居住者の距離感が近く、コミュニケーションを取りやすいため、密接なやり取りによって、居住者に良いイメージを与えることが出来れば長期的な賃貸に繋がることもあります。
そうすると安定的な収入にも繋がるので、コミュニケーション力に自信があるならば大家にとって大きなメリットです。
・修繕やトラブルが起きた際の業者を自由に選ぶことができる
管理委託をしている場合は管理会社がトラブルが起きた際に業者を選定して、費用は大家が支払うという仕組みになるケースが多いです。
しかし自主管理の場合は、大家が業者やメーカーを自由に選ぶことが出来るので、料金相場の安い、自分の好みの業者を好きなタイミングで手配することが可能です。
自主管理のデメリットとは
賃貸アパートを自主管理するデメリットについては、主に下記の3点が挙げられます。
-
- 常に業務やクレーム対応に追われる
- 自主的に修繕や清掃を行わないと資産価値が下落する
- 相談相手がいない
それぞれについて簡単に説明します。
・常に業務やクレーム対応に追われる
賃貸経営は想像以上にハードな業務となっており、入居者がいなければ収入になりません。入居者が多いほどトラブルやクレームは起こりやすくなります。
・自主的に修繕や清掃を行わないと資産価値が下落する
修繕業務や清掃業務は管理者の義務なので、これを怠ると物件の資産価値が下落します。
その結果として、建物の老朽化が進むので入居者が少なくなり、新しい入居者も入りづらい物件となってしまいます。
・相談相手がいない
自主管理ではすべての業務を自分で行う必要があり、管理のノウハウを教えてくれる人もいなければ、仲間もいません。
そのため、すべてのトラブルや業務を自分ひとりで抱えなければいけないので、注意が必要です。
管理委託のメリット・デメリット
一方で、賃貸アパートを管理委託するメリットやデメリットはどうでしょうか。
「賃貸経営が面倒なら、管理委託を利用すれば良いのではないか」と考えている人も多いかもしれませんが、デメリットを含めて把握していないと思わぬ失敗をしてしまうこともあるので注意してください。
管理委託のメリットとは
賃貸アパートを管理委託するメリットとしては、主に下記の3つが挙げられます。
-
- 管理業務をすべて任せることができる
- プロのノウハウを身近で学びながら運営できる
- オーナーが遠方に住んでいても良い
それぞれのメリットについて簡単に説明します。
・管理業務をすべて任せることができる
最も大きなメリットとしては「管理業務をすべて任せることができる」ということが挙げられます。
管理の業務をすべて管理会社に丸投げすることが出来るので、大家自身は何もしなくても良いという状況になります。
・プロのノウハウを身近で学びながら運営できる
管理委託を受託する管理会社は物件管理のプロなので、プロのノウハウを身近で学びながら運営できるというメリットがあります。
もしも今後、複数の賃貸アパートを運営するというような場合に、培ったノウハウがあれば楽に運営することができるようになります。
・オーナーが遠方に住んでいても良い
管理業務全般を管理会社に委託できるので、オーナーは遠方に住んでいても問題はありません。
そのため、極端な話をすれば、自宅から数百キロ離れた場所に賃貸アパートを購入した場合でも、手間無く家賃収入を得ることができます。
管理委託のデメリットとは
賃貸アパートを管理委託するデメリットについては、主に下記の3点が挙げられます。
-
- 費用がかかる
- 修繕やトラブルが起きた際の業者を選べない
- 物件の状況が分からなくなる可能性がある
それぞれについて簡単に説明します。
・費用がかかる
賃貸アパートの管理を委託する際の最も大きなデメリットとしては、「費用がかかる」ということです。
前述の通り、一般的には、賃貸収入の3%~5%が相場となっていますが、この他にもシステム料や更新事務手数料などで、別途、料金を請求されることもあります。
また、どのような契約なのかということを把握していないと、余計な出費が発生することもあるので、その点に関しては注意してください。
・修繕やトラブルが起きた際の業者を選べない
保有している賃貸アパートに修繕や改修などが必要になった場合は、管理会社が業者を選定して大家へ請求書を回すという仕組みになっています。
・物件の状況が分からなくなる
すべての手続きや業務を管理会社に委託するという仕組みなので、物件の状況が分からなくなり、場合によっては管理会社が満足な仕事をしていないこともあります。
このように、一口にデメリットと言ってもさまざまなことがありますので、管理委託を選択する場合は管理会社をしっかりと選定しないと痛い目にあう可能性があります。
自分の状況に合った管理方法を選択しよう
自主管理と管理委託にはそれぞれメリットとデメリットがあり、物件の状態や大家自身の生活スタイルなどによっても、どちらを選ぶべきか異なります。
まずは、どちらの管理方法を選ぶ場合にも言えることですが、どのような業務が必要になるのかしっかりと把握することが大切です。
自主管理のメリット・デメリットについてはこちらのコラムでも詳しく解説されています。参考にしてください。
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