公開日:2024.08.21 / 最終更新日:2024.09.26 賃貸管理 リフォーム賃貸経営

大家が行うリフォームのポイント。費用相場や補助金、業者選びなども解説

不動産経営1年目の確定申告

不動産投資において、適切なタイミングで効果的なリフォームを行うことは、物件の価値を維持・向上させ、入居者の満足度を高めるための重要な戦略です。

大家が知っておくべきリフォームのポイントについて、費用相場や利用可能な補助金、さらには業者選びのコツなどについて解説します。

賃貸物件リフォームの重要性

大家が行うリフォームのポイント。費用相場や補助金、業者選びなども解説

賃貸物件のリフォームは、単なる修繕以上の意味があります。適切なリフォームは物件の魅力を高め、長期的な収益性の向上につながります。リフォームが賃貸経営にもたらす重要な効果について詳しく見ていきましょう。

リフォームによる物件価値向上

適切なリフォームを行うことで、物件の資産価値を大きく向上させることができます。例えば、古くなった設備を最新のものに交換したり、外観をモダンにリニューアルしたりすることで、物件の魅力が上がり、賃料の増額や物件の売却時の価格アップにつながる可能性が高まります。

具体的なリフォーム箇所として、キッチンのシステムキッチン化、バス・トイレの高機能化、外壁塗装やサッシの交換による外観の刷新などが効果的です。また、省エネ設備の導入や防音性能の向上も、物件の価値を高める重要な要素となります。

入居者満足度アップの秘訣

リフォームは物件の価値向上だけでなく、入居者の満足度を大きく左右する要因でもあります。快適な住環境を提供することで、入居者の長期滞在を促し、退去率を低下させることができます。

入居者満足度を高めるリフォームのポイントとしては、清潔感のある内装、収納スペースの拡充、セキュリティ対策の強化、通信環境の整備、共用部分の充実などが挙げられます。

空室対策としてのリフォーム効果

空室は大家にとって大きな悩みの種ですが、適切なリフォームは空室問題の解決にもつながります。特に築年数が経過した物件では、リフォームによる見違えるような変化が、新規入居者の獲得に大きく貢献します。

エントランスやロビーのデザイン性向上、室内の壁紙や床材の刷新、設備の現代化、間取りの変更などによって、物件の第一印象が大きく改善され、内見率や成約率の向上につながります。特に、競合物件との差別化を図ることで、空室期間の短縮が期待できるでしょう。

投資物件・アパートのリフォームの費用相場

大家が利用できるリフォームの補助金|リフォームの効果についても解説

アパートのリフォーム・リノベーションにかかる一般的な費用相場と、部位別のリフォーム費用について詳しく解説します。

一般的なリフォーム費用の目安

アパートのリフォーム費用は、物件の規模や改修の範囲によって大きく異なりますが、一般的な目安を知っておくことは重要です。アパート1室あたりの標準的なリフォーム費用の目安は以下のようになります。

  • 軽微な改修(クロス張替え、床材交換など):30〜50万円程度
  • 中程度の改修(キッチン・バス・トイレの更新を含む):100〜200万円
  • 大規模改修(間取り変更、設備の全面更新など):300〜500万円以上

これらの費用は、物件の広さや使用する材料の品質によっても変動します。

また、複数の部屋を同時にリフォームする場合は、スケールメリットにより1室あたりの費用が若干抑えられることもあります。

部位別リフォーム費用の相場

次に、部位別のリフォーム費用の相場を見ていきましょう。各部位のリフォームにかかる費用を知ることで、より具体的な予算計画を立てることができます。

キッチンリフォーム

キッチンは入居者の生活の中心となる重要な場所です。

キッチンリフォームの費用相場

リフォーム箇所 費用相場
システムキッチンの交換(システムキッチン化) 50〜100万円
IHクッキングヒーターの導入 10〜30万円
収納の増設(背面収納など) 20〜50万円

バス・トイレリフォーム

水回りの改修は、衛生面と快適性の向上に直結します。

リフォーム箇所 費用相場
ユニットバスの交換 50万〜120万円
洗面台の交換 20万〜50万円
トイレの交換(温水洗浄便座含む) 10万〜30万円

最近では、浴室乾燥機や暖房機能付きの高機能なユニットバスが人気を集めています。

外壁・屋根リフォーム

建物の外観は、入居者の第一印象を左右する重要な要素です。

外壁・屋根リフォームの費用相場

リフォーム箇所 費用相場
外壁塗装(アパート1棟:500㎡を想定) 100万〜300万円
屋根の修理・葺き替え 50万〜400万円
サッシの交換(1室あたり) 20万〜80万円

外壁塗装は建物の美観だけでなく、防水性能の向上にも効果があります。また、断熱性能の高いサッシへの交換は、省エネ効果も期待できます。

投資物件のリフォームを安く抑える方法

投資物件へのリフォームは、かける費用やその後の効果によって、収支に大きな影響を与えることは言うまでもありません。

後ほど紹介する補助金やDIYといった方法に加えて、相見積もりやリフォーム会社との交渉は重要なポイントです。

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大家が利用できるリフォーム補助金制度

大家が利用できるリフォームの補助金|リフォームの効果についても解説

リフォームには多額の費用がかかりますが、様々な補助金制度を利用することで、その負担を軽減することができます。大家が利用できるリフォーム補助金制度を紹介します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

本事業は、既存住宅の耐久性、耐震性、エネルギー効率などの向上を目指すリフォームを支援しています。補助金はリフォーム費用の3分の1で、通常は1戸あたり最大100万円、長期優良住宅の認定を受けた場合は最大200万円となります。
対象工事には、構造的な劣化対策、耐震性強化、省エネ対策などが含まれます。予算内で補助金が提供され、予算超過時には募集が終了します。

参考:国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

この事業は、断熱性能を向上させるリフォームを支援し、エネルギー効率の改善と居住環境の向上を図ります。支援には、家全体の断熱改修と居間のみの断熱改修の2オプションがあります。集合住宅で全戸が対象の工事を行う場合、1戸あたり15万円の補助金が提供されます。高性能断熱材、窓、ガラス、玄関ドアなどの使用が対象となります。

参考:公益財団法人「既存住宅における断熱リフォーム支援事業

次世代省エネ建材の実証支援事業

本事業は、高効率断熱材や蓄熱、調湿機能を持つ次世代省エネ建材の使用を促進します。個別住宅と集合住宅の両方が対象で、集合住宅の場合、補助金の上限は1戸あたり125万円、下限は20万円です。
事業に登録された製品(断熱パネルや潜熱蓄熱建材など)の使用が条件となります。

参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和5年度 次世代省エネ建材の実証支援事業

住宅セーフティネット制度

この制度は、高齢者、障害者、子育て家庭など、特別な配慮が必要な方々に安心できる住まいを提供することを目的としています。物件所有者が制度に登録すると、専用システムに物件が掲載され、入居希望者とのマッチングが可能になります。また、バリアフリー化、耐震性向上、間取り変更、子育て家庭対応などの改修工事に対して補助金が提供されます。具体的な補助金額は、改修の内容や地域によって異なります。
参考:国土交通省「住宅セーフティネット制度について

大家が利用できるリフォームの補助金についてはこちらでも詳しく紹介しています。
関連記事:大家が利用できるリフォームの補助金|リフォームの効果についても解説

リフォーム時の注意点とポイント

大家が利用できるリフォームの補助金|リフォームの効果についても解説

リフォームを成功させるためには、適切な計画と実施が不可欠です。ここでは、リフォームを行う際の重要な注意点とポイントについて解説します。業者選びのコツから、入居者への配慮、コストパフォーマンスの考え方、そして法規制への対応まで、幅広い観点からリフォームのポイントを押さえていきましょう。

業者選びのコツ

信頼できるリフォーム業者を選ぶことは、工事の質と満足度を左右する重要な要素です。業者選びの際は、まず過去の施工例や顧客の評判をチェックし、その業者の信頼性を確認しましょう。また、必要な資格や保険加入の有無を確認することで、安全性を担保することができます。

見積もりの透明性も重要なポイントです。詳細な見積もりを提示してくれる業者は、工事内容や費用について明確な説明ができる信頼性の高い業者と言えるでしょう。要望をしっかりと聞き出し、適切な提案ができるコミュニケーション能力も重要です。大家の意図を正確に理解し、それを実現できる業者を選びましょう。

最後に、工事後のアフターフォローも忘れずにチェックしてください。リフォーム後に問題が発生した場合のサポート体制が整っているかどうかは、長期的な満足度に大きく影響します。

複数の業者から見積もりを取り、これらのポイントを総合的に判断して選択することをお勧めします。単に価格の安さだけでなく、質の高い工事とアフターケアを提供できる業者を選ぶことが、成功するリフォームの鍵となります。

入居者への配慮と工事中の対応

賃貸物件のリフォームでは、入居者への配慮が欠かせません。工事による騒音や不便さを最小限に抑えるための対応が必要です。まず重要なのは、事前の十分な説明です。工事の内容、期間、影響範囲などを丁寧に説明し、入居者の理解と協力を得ることが円滑な工事の実施につながります。

工事スケジュールの調整も重要です。入居者の生活リズムに配慮した工事計画を立てることで、不必要なストレスを軽減できます。例えば、騒音の出る作業は日中に集中させるなどの工夫が考えられます。

長期にわたる工事の場合は、代替設備の提供も検討しましょう。必要に応じて、仮設トイレや臨時の洗濯場所などを用意することで、入居者の日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

安全対策の徹底も忘れずに。工事エリアの明確な区分けや、粉塵対策などを行うことで、入居者の安全と快適さを確保します。また、こまめな進捗報告を行うことで、入居者の不安を軽減することにもつながります。

コストパフォーマンスを考えたリフォーム計画

リフォームは大きな投資ですが、適切に計画することで高いコストパフォーマンスを実現できます。まず重要なのは、優先順位の設定です。最も効果的な改修箇所から着手することで、限られた予算で最大の効果を得ることができます。

将来性を考慮することも大切です。流行に左右されにくいデザインや設備を選ぶことで、長期的な価値を維持することができます。また、省エネ性能の向上にも注目しましょう。初期投資は大きくなる可能性がありますが、長期的なランニングコスト削減につながる設備を導入することで、総合的なコストパフォーマンスを高めることができます。

耐久性の高い材料の選択もポイントです。頻繁な交換が必要ない高品質な材料を使用することで、長期的には維持管理コストを抑えることができます。また、一度に全てを行うのではなく、計画的に分割して実施する段階的なリフォームも検討しましょう。これにより、資金計画を立てやすくなり、各段階での効果も確認しながら進めることができます。

DIYリフォームの可能性と自身で行う限界を知る

近年、DIY(Do It Yourself)の人気が高まっており、賃貸物件のリフォームにおいてもDIYを検討する大家が増えています。大家ができるDIYリフォームの範囲や、そのメリット・デメリット、そしてプロに依頼すべき工事の見極め方について解説します。

大家ができるDIYリフォーム

大家自身で行えるDIYリフォームには、主に以下のようなものがあります。

壁紙の張替えや簡単な塗装作業

比較的取り組みやすいDIYリフォームの一つです。専門的な技術がなくても、丁寧に作業を行えば十分な仕上がりを期待できます。また、フローリングの張替えやカーペットの敷設なども、ある程度の知識と準備があれば可能です。

照明器具の交換や、カーテンレールの取り付け

照明器具の交換やカーテンレールの取り付けといった軽微な設備工事も、安全に注意を払えば大家自身で行えることが多いです。さらに、棚の設置や簡単な収納スペースの造作なども、DIYの良い対象となります。

ただし、これらの作業を行う際も、必ず事前に十分な情報収集と準備を行い、安全面に十分注意を払うことが重要です。また、自信がない作業や、専門的な知識が必要な作業は、無理をせずプロに依頼することをおすすめします。

DIYリフォームのメリットとデメリット

DIYリフォームには、いくつかのメリットがあります。まず、コスト面での利点が大きいでしょう。業者に依頼する場合と比べて、人件費を大幅に抑えることができます。また、自分の手で物件を改善する喜びや達成感を味わえることも、DIYの魅力の一つです。

さらに、細かい部分まで自分の意図を反映させやすく、オリジナリティのある空間づくりが可能になります。作業を通じて物件への理解が深まり、今後のメンテナンスにも役立つ知識が得られるのも利点と言えるでしょう。

一方で、デメリットもあります。まず、品質の面で専門業者に及ばない可能性があります。特に技術や経験が必要な作業では、思うような仕上がりにならないことがあります。また、作業に時間がかかることも多く、その間の機会損失も考慮する必要があります。

安全面のリスクも無視できません。不適切な作業により怪我をしたり、建物に損傷を与えてしまう可能性もあります。さらに、設備関係の工事では、法令違反や保険の適用外となるリスクもあるため、注意が必要です。

プロに依頼すべき工事の見極め方

DIYで行える範囲には限界があり、プロに依頼すべき工事もあります。以下のような場合は、専門業者への依頼を強くおすすめします。

電気や給排水、ガスなどの設備工事

専門的な知識と技術が必要なため、プロに任せるべきです。これらの工事は安全性に直結し、法的規制も厳しいため、素人が手を出すには危険が伴います。

構造に関わる工事

必ずプロに依頼しましょう。壁の撤去や増設、柱や梁の補強などは、建物の安全性に大きく影響するため、専門家の判断と技術が不可欠です。

防水工事

防水工事も専門性が高い分野です。屋根や外壁、浴室などの水回りの防水は、建物の寿命を左右する重要な要素であり、確実な施工が求められます。

また、大規模なリフォームや、複数の工程が絡み合う複雑な工事も、プロの管理下で行うべきでしょう。工程管理や品質管理、安全管理など、総合的な視点が必要となるためです。

建築確認申請が必要な規模の工事

建築確認申請が必要な規模の工事や、特殊な技術や設備を要する工事も、専門業者に任せるべきです。これらの工事は、法令遵守や高度な技術が要求されるため、素人が行うにはリスクが高すぎます。

DIYリフォームを検討する際は、自身の技術や経験、作業にかけられる時間、そして何より安全性を十分に考慮し、無理のない範囲で取り組むことが大切です。そして、少しでも不安や疑問がある場合は、迷わず専門家に相談や依頼をすることをお勧めします。適切な判断と行動が、成功するリフォームへの近道となるでしょう。

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