公開日:2026.10.14 賃貸管理 不動産経営効率化賃貸経営

賃貸経営を効率化するには?大家さんが見直したい「非効率な管理」5つ

賃貸経営を効率化するには?大家さんが見直したい「非効率な管理」5つ

賃貸経営では、家賃の入金確認や収支の把握、書類の管理、修繕対応、管理会社とのやりとりなど、さまざまな業務が発生します。

管理会社に多くの業務を任せている場合でも、「毎月届く収支報告書を確認する」「必要な書類を保管する」「修繕内容を確認して判断する」といった作業は、不動産オーナー自身が行う必要があります。

こうした業務について、「昔からこの方法で管理しているから」「今のところ特に困っていないから」と、これまでのやり方を続けている方も多いのではないでしょうか。

しかし、一つひとつは小さな手間でも、必要な資料を毎回探したり、過去のメールをさかのぼったりする作業が積み重なると、賃貸経営にかかる負担は大きくなります。

また、管理方法が整理されていないことで、必要な情報をすぐに確認できず、経営上の判断が遅れてしまうことも考えられます。

この記事では、賃貸経営を効率化するために、不動産オーナーが一度見直しておきたい「非効率な管理」を5つ紹介します。

「自分にも当てはまるかもしれない」と感じるものがないか、日頃の管理方法を振り返りながら確認してみましょう。

その管理方法、いつの間にか負担になっていませんか?

賃貸物件を見つめて考え込んでいる男性

賃貸経営を始めた当初は、物件数や確認する書類もそれほど多くなく、紙やExcelなどを使った管理でも特に問題を感じなかった方もいるでしょう。

たとえば、

  • 管理会社から届いた収支報告書はファイルに保管する
  • 物件の収支はExcelに入力する
  • 修繕についてはメールや電話で管理会社とやりとりする
  • 契約書や見積書などは紙で保管する

といった方法です。

もちろん、紙やExcelを使うこと自体に問題があるわけではありません。
大切なのは、必要な情報を必要なときに確認でき、オーナー自身が物件の状況を把握できているかどうかです。

しかし、賃貸経営を続けていくと、収支報告書や契約書、修繕の見積書、管理会社との連絡など、扱う情報は少しずつ増えていきます。

さらに、物件が増えたり、長期間保有したりすることで、「情報は残っているけれど、どこにあるのか分からない」という状態になってしまうこともあります。

たとえば、「以前交換した給湯器はいくらだっただろう」「去年と比べて修繕費はどれくらい増えているだろう」と思ったとき、すぐに確認できるでしょうか。

過去のファイルを探したり、管理会社に問い合わせたりしなければ分からない場合、その作業自体が賃貸経営の見えにくい負担になっている可能性があります。

日頃は問題なく管理できているように見えても、「探す」「確認する」「問い合わせる」といった作業に時間を使っていないか、一度振り返ってみることが大切です。

大家さんが見直したい「非効率な管理」5つ

賃貸経営における非効率は、「作業に時間がかかっている」と自覚できるものばかりではありません。
長年同じ方法で管理していると、その作業が当たり前になり、「手間がかかっていること自体に気付いていない」というケースもあります。

ここからは、不動産オーナーが見直しておきたい代表的な管理方法を5つ紹介します。

収支を確認するたびに資料を探している

賃貸経営では、毎月の家賃収入だけでなく、管理費や修繕費、各種税金などさまざまなお金が動きます。
管理会社に管理を委託している場合は、毎月送られてくる収支報告書で入出金を確認している方も多いでしょう。

しかし、

「今月の収支は把握しているものの、年間ではいくら利益が出ているか分からない」

「去年と比べて修繕費がどれくらい増えたのか、すぐには確認できない」

といった状態になっていないでしょうか。

毎月の資料が紙やPDFなどで個別に保存されている場合、年間の収支を確認するためには、一つひとつの資料を開いて数字を集計しなければならないことがあります。

物件を複数所有している場合は、さらに管理が複雑になります。

賃貸経営では、一時点の収支を見るだけでなく、過去との変化を見ることも重要です。

家賃収入は大きく変わっていなくても、修繕費や管理費などの支出が増えていれば、実際に手元に残る利益は減っているかもしれません。

「数字は残っている」だけではなく、「必要なときにすぐ確認できる状態になっているか」という視点で、収支の管理方法を見直してみましょう。

書類が紙・メール・パソコンに散らばっている

賃貸経営では、さまざまな書類を扱います。

たとえば、

  • 賃貸借契約書
  • 管理委託契約書
  • 収支報告書
  • 修繕工事の見積書や請求書
  • 火災保険などの保険関係書類
  • 設備に関する資料

などがあります。

こうした書類を、「契約書は紙」「収支報告書はメール」「見積書はパソコンのフォルダ」といったように、それぞれ別の場所で管理しているケースも少なくありません。

普段は特に困らなくても、いざ書類が必要になったときに、

「どこに保存したか分からない」

「メールで届いたはずだけれど、検索してもなかなか見つからない」

「古い書類なので別のファイルに入っている」

といったことが起こると、探すだけで時間がかかってしまいます。

特に、契約更新や修繕、売却など、過去の情報を確認する必要がある場面では、書類をすぐに取り出せる状態にしておくことが重要です。

書類があることと、必要なときに使える状態で整理されていることは同じではありません。

「どこに何があるのか」を自分自身が把握できているか、確認してみましょう。

管理会社とのやりとりを過去のメールから探している

管理会社とのやりとりも、賃貸経営では頻繁に発生します。

入居者から設備不具合の連絡があった場合や、原状回復、修繕、入居者募集など、オーナーが判断しなければならない場面もあります。
その際、電話やメール、チャットなど複数の方法で連絡していると、後から内容を振り返ることが難しくなる場合があります。

たとえば、

「以前も同じ設備を修理した気がする」

「この工事について、前回どのような説明を受けたのか確認したい」

と思ったときに、何か月も前のメールをさかのぼって探した経験がある方もいるのではないでしょうか。

電話でのやりとりが中心の場合、そもそも記録が十分に残っていないこともあります。

賃貸経営では、過去の判断や対応を確認できることも重要です。

「いつ」「どのような問題が起き」「どのような対応をしたのか」が分かれば、同じようなトラブルが発生した際の判断材料にもなります。

管理会社とのコミュニケーションについても、単に連絡が取れているかだけではなく、「後から確認しやすい状態になっているか」という視点を持っておきましょう。

修繕やトラブルの履歴を把握できていない

建物や設備は、年月の経過とともに修繕や交換が必要になります。
給湯器、エアコン、インターホン、水回りの設備など、入居者からの連絡をきっかけに修理・交換を行うことも多いでしょう。

その都度、管理会社から連絡を受けて対応していても、数年経つと、

「この設備はいつ交換したものだったか」

「以前も同じ部屋で同様のトラブルがなかったか」

「前回の修理にはいくらかかったか」

といった情報が曖昧になりがちです。

修繕履歴が整理されていなければ、過去の請求書やメールを探したり、管理会社に問い合わせたりしなければ確認できません。

また、過去の修繕内容を把握しておくことは、将来の修繕計画を考えるうえでも役立ちます。

たとえば、複数の部屋で同時期に設置した設備であれば、一部で故障が始まったことをきっかけに、ほかの部屋についても交換時期を検討できるかもしれません。

修繕は「故障したら対応する」だけではなく、履歴を蓄積して今後の判断に生かすことも大切です。

「管理会社に聞かないと分からない」ことが多い

管理会社に管理を委託することは、オーナーの負担を減らすうえで有効です。
入居者対応や家賃管理、修繕手配などを任せることで、日々の実務にかかる手間を大きく減らすことができます。

一方で、「管理を任せること」と「経営状況を把握しなくてよいこと」は同じではありません。

たとえば、

「現在の入居状況はどうなっているか」

「今月の収支はいくらか」

「過去にどのような修繕を行ったか」

「今後どの程度の修繕費を見込む必要があるか」

といった情報まで、管理会社に聞かなければ分からない状態になっていないでしょうか。

賃貸経営について最終的な判断をするのはオーナー自身です。
家賃を変更する、設備投資をする、大規模修繕を行う、物件を売却するといった重要な判断をする際には、物件の状況や収支を把握しておく必要があります。

必要な情報を管理会社から共有してもらいながら、オーナー自身も確認できる状態をつくっておくことが大切です。

「当てはまった」という方へ。賃貸経営で何をデジタル化できる?

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非効率な管理を放置すると「面倒」だけでは済まない

不動産経営1年目の確定申告

非効率な管理が続いていても、「少し手間がかかるだけだから」と、そのままにしてしまうこともあるでしょう。

しかし、賃貸経営における情報管理の問題は、単に作業時間が増えるだけではありません。
必要な情報をすぐに把握できないことで、物件の状況変化に気付きにくくなったり、トラブルへの対応が遅れたりする可能性もあります。

ここからは、非効率な管理を続けることで考えられる影響を見ていきましょう。

経営状況の変化に気づきにくくなる

賃貸経営では、毎月家賃が入金されているだけでは、経営が順調かどうかを判断することはできません。

家賃収入が変わっていなくても、管理費や修繕費、保険料などの支出が増えていれば、実際の利益は少なくなっている可能性があります。

また、一度の大きな支出だけでなく、小さな支出が少しずつ増えているケースもあります。
毎月の収支報告書を個別に確認するだけでは、こうした変化に気付きにくい場合があります。

一方で、収支を継続的に確認できる状態にしておけば、

「前年より修繕費が増えている」

「特定の物件だけ支出が多い」

「家賃収入に対して経費が増えている」

といった変化にも気付きやすくなります。

賃貸経営では、問題が大きくなってから対応するのではなく、小さな変化の段階で気付くことが重要です。

そのためにも、必要な数字をすぐに確認できる環境を整えておきましょう。

トラブル時の確認に時間がかかる

設備の故障や入居者からの問い合わせなど、賃貸経営では突然対応が必要になることがあります。

こうした場面では、過去の履歴が重要な判断材料になることもあります。

たとえば、同じ設備で過去にも故障が発生しているのであれば、再度修理するのではなく交換したほうがよいかもしれません。
以前入居者から同じような相談があった場合は、その際の対応内容を参考にできることもあります。

ところが、過去の情報が複数の場所に分散していると、確認するだけで時間がかかります。

「管理会社に問い合わせる」

「メールを検索する」

「昔の見積書を探す」

といった作業が必要になり、判断までに余計な時間がかかってしまいます。

トラブルが発生してから情報を探すのではなく、日頃から履歴を確認できる状態をつくっておくことが、スムーズな対応につながります。

物件が増えるほど管理が複雑になる

現在は紙やExcelで問題なく管理できている場合でも、今後物件数が増えれば同じ方法では管理が難しくなる可能性があります。

物件が増えると、

  • 確認する収支報告書
  • 管理する契約書
  • 発生する修繕
  • 管理会社とのやりとり
  • 確認する入居状況

なども増えていきます。

管理会社が複数になれば、収支報告書のフォーマットや連絡方法が異なることもあるでしょう。
物件ごとに管理方法が異なる状態では、「どの情報をどこで確認するか」を覚えておくこと自体が負担になります。

そのため、管理方法を見直す際には、「今の物件数なら管理できるか」だけでなく、「この先、物件や情報が増えても同じ方法で管理できるか」という視点を持つことが大切です。

今の管理方法に大きな不満がなくても、将来の負担を増やさないために、早めに情報を整理する仕組みをつくっておくとよいでしょう。

賃貸経営のDXは「全部をデジタル化すること」ではない

賃貸経営のDXは「全部をデジタル化すること」ではない

ここまで読んで、「管理を効率化するためにはDXが必要なのだろうか」と考えた方もいるかもしれません。

DXという言葉を聞くと、

「新しいシステムを導入しなければならない」

「パソコンに詳しくないと難しそう」

「大規模な賃貸経営をしている人向けなのでは」

と感じる方もいるでしょう。

しかし、賃貸経営におけるデジタル化は、すべての業務を一度に変える必要はありません。
管理システムや電子契約、オンラインでの入金管理、チャットによる情報共有など、身近なところにもデジタル化できる業務があります。

大切なのは、デジタルツールを導入すること自体を目的にするのではなく、「どの作業に手間がかかっているのか」を確認したうえで、必要な部分から見直していくことです。

まずは「探す」「確認する」が多い業務から見直す

管理方法を効率化したいと考えたとき、最初からすべてを変更する必要はありません。

まずは、自分が日頃どのような作業に時間を使っているのかを振り返ってみましょう。

特に見直しやすいのが、

「探す」「確認する」「転記する」「問い合わせる」

といった作業です。

たとえば、毎月届く収支報告書を一つの場所で確認できるようになれば、過去の資料を探す時間を減らせます。

また、修繕や管理会社とのやりとりを履歴として残せるようにすれば、過去のメールを一つひとつ探す必要も少なくなります。

デジタル化というと、大きな変化をイメージしがちですが、「毎月繰り返している小さな手間を一つ減らす」という考え方から始めても構いません。

まずは自分が「面倒だ」と感じている作業を一つ見つけることが、効率化の第一歩です。

管理会社との情報共有もデジタル化のポイント

賃貸経営の効率化を考える際は、オーナー自身の管理方法だけでなく、管理会社との情報共有にも目を向けてみましょう。

管理会社は、家賃の入金状況や入居者対応、修繕など、物件に関する多くの情報を持っています。
その情報がオーナーにも分かりやすい形で共有されていれば、必要な情報を確認するために、毎回問い合わせる必要はありません。

一方で、収支報告書は紙、修繕の連絡は電話、その他の連絡はメールなど、情報が複数の方法で届いている場合は、オーナー側で整理する負担が大きくなります。

管理会社を選ぶ際には、管理手数料や業務内容だけでなく、

「情報をどのように共有してくれるのか」

「収支や入居状況を確認しやすい仕組みがあるか」

「過去の履歴を確認できるか」

といった点も確認してみるとよいでしょう。

管理会社とオーナーの双方が情報を共有しやすい環境を整えることも、賃貸経営を効率化するための重要なポイントです。

まずは自分の賃貸経営の「非効率」を洗い出してみよう

まずは自分の賃貸経営の「非効率」を洗い出してみよう

賃貸経営では、家賃管理や収支確認、書類管理、修繕、管理会社とのやりとりなど、さまざまな業務が発生します。

これまで同じ方法で問題なく管理できていたとしても、物件の保有期間が長くなったり、物件数が増えたりすることで、少しずつ管理の負担が大きくなることがあります。

まずは、

「最近、何かを探すのに時間がかかったことはないか」

「管理会社に問い合わせなければ分からない情報はないか」

「毎月繰り返している面倒な作業はないか」

といった視点から、自分の賃貸経営を振り返ってみましょう。

すべてを一度に変える必要はありません。

「収支を確認しやすくする」「書類を一か所にまとめる」など、負担を感じているところから少しずつ管理方法を見直すだけでも、賃貸経営の効率化につながります。

また、管理を効率化することは、単にオーナーの手間を減らすためだけのものではありません。

必要な情報をすぐに確認できるようになれば、物件の状況変化にも気付きやすくなり、修繕や今後の経営方針について判断する際にも役立ちます。

これからも安定した賃貸経営を続けるために、一度現在の管理方法を見直してみてはいかがでしょうか。

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