アパート経営は何年で黒字化?成功例や初期費用の詳細も紹介

アパート経営を始めようと考えている方の中には、「何年で黒字化できるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
一般的に、黒字化までは10〜15年かかるとされています。しかし、実際には初期費用や毎月の家賃収入、諸経費によって大きく異なります。
アパート経営が黒字化するまでの期間を割り出す方法に加え、初期費用を抑えるためのポイントや失敗しないための対策も詳しく解説します。
アパート経営は何年で黒字化できる?
資産運用の方法として注目されている不動産投資(アパート経営)は、成功すると長期的に安定した収入を得られます。
アパート経営を検討している方の多くは「何年で黒字になるのか?」と気になっているのではないでしょうか。
そもそも黒字化というのは、家賃収入の累積が借入金の残債を上回った状態、もしくは毎月の収入が支出や経費を上回った場合のことを指します。
では、黒字化するまでに何年かかるのかというと、目安では10〜15年とされています。
建物があるエリアにもよりますが、最低でも10年はかかる可能性が高いでしょう。
黒字化にかかる年数の計算方法
黒字化にかかる年数の計算は以下の式で求められます。
黒字化年数=初期費用(アパートの建築施工費や購入代金)÷(家賃収入−諸経費) |
たとえば、以下の設定で黒字化にかかる年数を計算してみましょう。
- アパートの総工費が1億円
- 年間の家賃収入(想定)が950万円
- 諸経費が150万円
上記の場合、1億円÷(950万円−150万円)=12. 5年となり、黒字化するまで12年半もかかる計算です。
黒字化できなければ売却を考える
黒字化するまでの年数が15年以上かかる物件は、売却した方が良い場合もあります。
状況によっては、不動産を取得した時の金額より高値で売却できる場合があるので、時期をみて不動産会社と相談するのもよいでしょう。
アパート経営にかかる初期費用の内訳
アパート経営にかかる初期費用は、アパートの建築費だけではありません。
登記費用や不動産取得税、借入金に関する費用、各種保険料など、建築費以外にも多くの費用がかかるのです。
各項目ごとにどれくらいの費用がかかるのか解説していきます。
アパートの建築費
アパート建築費は建物の構造や規模によって費用が変化します。
構造では、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造に比べて木造の方が安価です。
以下は、構造別に1坪あたりの建築費の目安を表にしたものです。
階数/坪単価 | 木造 | 軽量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
---|---|---|---|
1階建て | 70〜100万円 | 80〜110万円 | 100〜120万円 |
2階建て | 80〜110万円 | 90〜120万円 | 120〜140万円 |
3階建て | 90〜130万円 | 100〜130万円 | 130〜150万円 |
構造だけでなく規模が大きい建物や、複雑な形の建物の場合は建築費が高くなります。
また、施工場所が道幅の狭い道路に面していたり、住宅密集地だったりすると工事が難しくなるので、費用もその分割高になるでしょう。
建築費以外の費用
建築費以外で発生する費用は以下の通りです。
①登記費用:アパートを新築で建てる場合は所有権保存登記、土地や建物を購入した際は所有権移転登記を行います。
また、銀行などから借入をした場合は、アパートに対して抵当権設定登記が必要です。この登記費用として、20〜50万円程度はかかります。(司法書士への報酬を含む。)
②不動産取得税:土地や建物などの不動産を取得した場合に発生します。不動産取得税は原則「固定資産税評価額×3%」で計算されます。
固定資産税評価額は固定資産税を確定するための税額で、おおよそ購入価格の約70%程度です。
また、不動産取得税は、不動産を取得してから半年〜1年後に納付書が届くことがあるので、資金を手元に残しておきましょう。
③借入金関連費用:アパートを建築する際、ローンを利用する方も多いでしょう。ローン契約時には、手数料や保証料、印紙代などが必要です。
借入金関連費用は一般的に建築費の10%程度ですが、物件の条件により異なるため、詳細は金融機関や専門家に確認してみてください。
④各種保険料:天災や入居者トラブルなどに備えて保険に加入する必要があります。特に火災保険への加入は必須です。
地震保険は火災保険とセットで加入するとよいでしょう。保険料は一括払いも可能ですが、分割払いも可能です。
また保険料は、建物の構造や床面積などで異なりますが、5年契約で50万円〜100万円程度となっています。
アパート経営の黒字化に失敗する原因や要因
成功すれば長期的に安定した収入を得られるアパート経営ですが、不動産投資の知識不足や多額の借入金が原因で、リスクを負ってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
アパート経営の黒字化に失敗する原因や要因について解説します。
不動産投資に関する知識が不足していた
アパート経営はメリットばかりではありません。
空室が出た場合や大きな修繕が必要な場合などは、収入が減ったり、資金を使って修繕したりと、オーナーにとって予期せぬ支出があることを理解しておきましょう。
他にも、税金のことやローンの金利など、不動産投資に関する知識がないまま運営すると失敗に繋がります。
関連記事:アパート経営の確定申告は税理士に依頼すべき?メリットや費用相場などを解説
自己資金が足りず借入金が増えてしまった
アパート経営にかかる初期費用の30%程度は、自己資金から捻出することが理想です。
しかし、アパート経営をする方の中にはフルローンで借入する人もいます。
借入金の額が大きすぎると毎月の返済が負担になる恐れがあります。
また、急な支出で追加融資を受ける場合にも、無理のない範囲での借入や返済計画を立てるようにしましょう。
アパート経営のリスクを考えずに運営していた
アパート経営におけるリスクとして以下の4つが挙げられます。
①老朽化:新築で建てたアパートも年数が経過すれば老朽化します。アパートの老朽化とともに家賃設定の見直しが必要です。
また、老朽化したアパートの修繕費は高額になる可能性があります。
②空室:経営しているアパートがいつも満室とは限りません。空室が出た時のことを考え、収入が減少してしまうリスクも考慮しておきましょう。
③金利上昇:変動金利で借入している場合、金利が上昇するリスクがあります。金利の上昇により利子が増えると、支出が収入を上回るかもしれません。
固定金利であれば、借入金を完済するまで金利の変動はありませんが、変動金利より高金利に設定されているので、どちらを選択するか見極める必要があります。
④家賃滞納:入居者が毎月きちんと家賃を収めてくれるとは限りません。常に滞納されるリスクについて考えておきましょう。
滞納による退去勧告は、賃貸借契約や各自治体が定めた条例に基づいて対応が必要です。事前に敷金を預かったり、家賃保証会社に加入したりすることで、リスク対策を行いましょう。
このようにリスクを考えずに運営することが、黒字化に失敗する要因になります。
アパート経営で黒字化するための対策
アパート経営に失敗しないためには、アパートがあるエリアの特徴を理解するだけでなく、建築費を抑えたり、定期的にメンテナンスしたりと、さまざまな対策が必要です。
具体的にどのような対策をする必要があるのか解説します。
アパートがあるエリアの特徴を理解する
経営するアパートはどんな地域にあり、どんな立地なのか、エリアの特徴を理解しておきましょう。
- 最寄駅から近い
- 商店街が近くにある
- 日当たりが良い
- 将来的に開発エリアにある
このような条件は入居者募集の際にも大きな魅力になります。
空室を避けることに繋がるので、不動産を購入する際はできるだけ好条件な物件を選ぶことがポイントです。
アパートの建築費を適度に抑える
アパートの建築費を抑えることで初期費用を抑えられます。
構造を木造にしたり、複雑な形や造りにせずシンプルな建物にしたりして建築費を適度に抑えるとよいでしょう。
しかし、建築費を安く済ませることにばかり意識してしまい、入居希望者がいない物件になったり、建築費を抑えすぎて欠陥住宅になったりしては意味がありません。
どこにお金をかけて、どこを抑えるかは不動産会社や建築会社と相談する必要があります。
アパートのメンテナンスを定期的に行う
アパートの外壁や屋根など、定期的にメンテナンスを行うことでアパートの老朽化を遅らせることができます。
破損や故障してから修理すると修繕費は割高になってしまうので、定期的にメンテナンスを行い、できるだけ建物の品質を維持しておくことが大切です。
確定申告など税金の対策を行う
アパート経営で得た収入は税法上、不動産所得に該当するため、毎年確定申告が必要です。
ただし、家賃収入から経費を引いた金額が年間20万円を超えていなければ、基本的に確定申告をする必要はありません。
そして、確定申告する際は青色申告を選択することをおすすめします。なぜなら、青色申告をすることで最大65万円の特別控除を受けられるからです。
たとえば、不動産収入が年間500万円で青色申告特別控除が適用されると、課税所得は435万円になります。
課税所得が少なくなることで、所得税や住民税の負担を減らすことが可能です。
また、不動産所得で赤字になってしまった場合、損益通算をして給与所得など他の所得から差し引くことができます。
たとえば、給与所得が600万円で不動産所得が100万円の赤字だった場合、以下の計算式となります。
600万円-100万円=500万円
500万円が課税所得となるため、給与所得600万円だけの場合より課税額を抑えられます。
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