2022.03.14 賃貸管理 ペット人気設備

ペット可の賃貸物件は需要が高い?現状と人気の設備や特約を紹介

犬と触れ合う女性

近年の日本では、ペットブームや新型コロナウイルスの影響により自宅で過ごす方が増えていることから、ペットを飼う方が増えてきています。

しかし、ペットを飼いたくても、住まいの問題で飼えないという方も多く存在しています。

一方で、賃貸オーナーの中には、空室対策として所有する賃貸物件をペット可にすることを検討している方もいるでしょう。

本記事では、ペット可の賃貸物件の需要やメリットなどを解説します。また、実際に経営する際の注意点も紹介するので、ご参考になれば幸いです。

ペット可の賃貸物件は需要が高い?

ペット可物件の需要について、実際の調査などを参考に解説します。

日本の新規飼育頭数は増え続けている

日本の新規飼育頭数は増加傾向にあります。一般社団法人 ペットフード協会「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果」によると、1年以内に新たに飼いはじめた犬や猫の数は、2020年と2021年ともに増加しています。

新型コロナウイルスの影響により、自宅で過ごす時間が増えたことが要因として挙げられます。ペットとの生活で癒やしを求める方や、ペットを通じて家族内のコミュニケーションを深める方が増えているのでしょう。

集合住宅で禁止されているためペットが飼えない

ペットを飼いたくても、事情により飼えない人はたくさんいます。

ペットフード協会の「令和2年度 全国犬猫飼育実態調査」では、ペットを飼えない理由として「集合住宅に住んでいて飼育が禁止されているから」が最も多い結果となりました。

多くの集合賃貸住宅では、壁や床に傷がつくことを理由に、ペットの飼育が禁止されています。そのため、ペットを飼いたくても諦めざるを得ません。

ペット可物件の市場

ペット可物件の市場は現状どうなっているのでしょうか。

特徴を持つ賃貸住宅の関心度引用:一般社団法人 住宅改良開発公社「賃貸住宅市場の動向と将来予測(展望)調査[報告書]

住宅改良開発公社の調査によると「特徴を持つ賃貸住宅の関心度」では、経営者と居住者ともに「ペット可賃貸住宅」の関心度が高いことが分かります。

ペット可物件ではないためペットを飼えない方がいることを考えても、ペット可物件は需要と供給ともに増えていくことが推測されます。

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ペット可の賃貸経営は大変?

ペット可物件の賃貸経営のメリットやデメリット、人気の設備について紹介します。

メリット

ペットを飼いたい方や、ペット可物件に対する関心があるのにも関わらず、ペット可物件が増えないのは、経営にリスクがあることが挙げられます。

しかし、ペット可物件にすることで、メリットがあるのも事実です。

入居者の幅が広がり空室対策になる

入居者の幅が広がることが大きなメリットです。

ペットを飼いたい方やすでにペットを飼っていて引っ越しを考えている方は、ペット可物件を探しています。また、ペットを飼っている方は引っ越したいと思っていても、物件自体が少ないことから、なかなか引っ越そうとしません。

現状ではペット可物件自体が少ないため、ペット可にするだけでも、入居してもらえる確率が上がります。特に空室が多い物件であれば、設備投資がほとんど不要なため、手軽な空室対策として、ペット可物件にすることは有効です。

たとえ、駅から遠くエレベーターがないといった立地や設備面でデメリットがある物件でも、ペット可であるというだけで、入居率は上がります。

収益が高い

ペットを連れの場合は家賃を通常よりも+5,000円に設定しているケースもあります。それでもペット可物件を探している方にとっては、ペット可ということ自体が魅力です。

そのため、賃料が少し上がっても入居を決断するため、収益化にも効果的です。

デメリット

具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

原状回復に関するトラブルが発生しやすい

大きなデメリットとなるのが原状回復です。

ペットを飼うことで、床や壁に傷がつきます。退去時には当然原状回復費用が必要になりますが、その費用が高額になることにより、トラブルに発展するおそれがあります。

東洋経済新報社「ペット可物件に潜む「高額請求トラブル」の不条理」によると、国民生活センターの調べでは、ペット飼育によるトラブルが「賃貸住宅の敷金と原状回復トラブル」の中で最も多く約25%となっています。

共有部の汚れ

アパートやマンションでは、ペットの尿や糞が放置されていることもあります。取り決めがあったとしても、必ずしも全員がルールを守るとは限りません。

原状回復と共用部の汚れを見越して、敷金や共益費を高めに設定する場合もあります。しかし、それもまたトラブルのもとです。

入居者トラブルにつながるケースも

ペットを飼う習慣がない方にとっては、ペットの臭いや鳴き声はとても気になるもの。そういった方とペットを飼っている方とでトラブルが発生し、退去につながるケースもしばしばあることです。

犬に噛まれてケガをした、ペットによるアレルギーを発症した、こういったトラブルになると損害賠償を求められることも考えられます。空室対策としてペット可物件へ変更する際は、慎重に検討しましょう。

人気の設備

設備投資をすることで、原状回復費用の抑制や入居者の満足度向上につなげることができます。

たとえば壁一面に壁紙を貼っていた場合、傷がつけば一面分の壁紙を張り替えなければいけません。しかし、傷がつきやすい高さで切った状態で貼っておけば、原状回復時は下の部分だけを貼り替えるだけです。

少しの工夫で原状回復費の抑制につながります。

ペットの飼育で気になる排泄物の臭いや動物的な独特の臭いの対策となる設備も有効です。空気清浄機を各部屋に設置するだけでも効果があります。

物件の外に水道を設置しているのであれば、その部分をペットの洗い場として活用してもよいでしょう。

散歩や外で遊んで汚れた体を洗うことで、部屋に汚れを持ち込みません。ハウスクリーニング費用の節約にもつながります。

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ペット可の賃貸経営で注意する点

ペット可の物件ではデメリットやリスクがあるため、実際に経営をする場合は十分な対策が必要です。

原状回復の費用や家賃設定、条件といったポイントを押さえましょう。

原状回復について

原状回復の条件を明確にしておくことで、退去時のトラブル回避につながります。

    • 契約書に「退去時は無条件で壁紙を貼り替える」といった特約を記載しておく
    • どこまでの汚れを負担するのかといった条件を入居者と確認しておく

上記のようなことを心がけるだけで、トラブルを回避できます。

通常よりも補修費がかかることが想定できることから、敷金や共益費を相場より高く設定することが一般的です。

家賃設定

確かにペット可物件では家賃を高く設定しても入居率は上がります。しかし、足元をみただけの家賃設定では入居者は満足しません。ほかによい物件があれば、そちらを選ぶ可能性もあります。あくまでも相場に近い家賃設定をしましょう。

また、設備投資をし、その設備を付加価値とすることで、高めの家賃設定の根拠にもできます。安易に家賃を高額にするのではなく、入居者の満足度を考えた家賃設定にしましょう。

ペットの条件

ペットとは犬や猫だけではありません。爬虫類やウサギ、猿もペットです。ペット可の物件とはいえ、どんなペットでも許してしまうと、トラブルが発生するおそれがあります。

あらかじめ入居可能なペットの種類を定めておきましょう。

大きさや個体数といった条件を決めておくことも有効です。それにより、ペットが繁殖を繰り返し、飼育不可能な状態になるのを防ぐことにもつながります。

暮らしやすい環境

ペットや入居者が暮らしやすい環境にすることが大切です。

足洗い場の設置や遮音性に優れた壁紙を設置することで、汚れを抑えられます。ゴミ置き場に防臭効果が高い構造の「ペット用ゴミ置き」を設置すれば、近隣からのクレーム防止にもつながります。

また、定期的な見回りや、入居者と意見交換会を開催するといったコミュニケーションを取る機会を増やすことで、トラブル防止にも効果的です。

ペットや入居者、近隣の方が気持ちよく暮らすための環境を作ることも、ペット可物件を経営するための重要なポイントといえるでしょう。


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