不動産所得で経費になる接待交際費はどこまで?具体的なケースを紹介

賃貸物件のオーナーは、毎年確定申告が必要です。確定申告の際には収入から必要経費を差し引いて不動産所得を計算しますが、経費として「接待交際費」が認められるのか、認められる場合に制限などがないのか心配になるでしょう。
今回は、不動産所得で経費として認められる接待交際費の範囲を具体的なケースで紹介します。また、経費になるかの判断が難しいほかの費用についても説明するので、間違いのない確定申告を心がけましょう。
不動産所得で経費として認められる接待交際費の範囲
まず、「接待交際費」の経費になるかの判断基準やルールについて理解しましょう。
経費になるかの判断基準
賃貸事業における経費としての接待交際費は、事業に必要な支出かどうかが判断基準です。
なお、賃貸オーナーで、法人化して賃貸事業を行っている場合は法人の規定になります。個人事業の接待交際費の考え方とは異なるので注意してください。
また、個人事業で賃貸業以外の事業を営んでいる場合は、所得区分が「不動産所得」と「事業所得または雑所得」に分けられます。支出した接待交際費がどちらの事業に対してのものか明確に区分しましょう。ただし、どちらの事業に対する接待交際費であっても、事業に必要な支出かどうかという判断基準は変わりません。
経費として認められるケース
経費として認められる接待交際費としてどのようなものが該当するのでしょうか。具体的なケースをいくつか紹介します。
- 管理会社の社長や担当者との飲食など
- 賃貸仲介会社の社長や担当者との飲食など
- 顧問の税理士や会計士、または司法書士や弁護士との飲食など
- 売買仲介の社長や担当者との飲食など
以上のような不動産関係や税務、法務などの専門家との情報交換や、人間関係の形成は事業上必要なことです。
不動産セミナーに出席し、セミナーのあと懇親会があり飲食するケースもあります。「会費」という名目で飲食代を負担するか、「割り勘」という形式で飲食代を負担するかもしれませんが、これらの場合も接待交際費として経費計上できます。
また、最近は賃貸事業でもIT技術が活用されており、ウェブサイト構築やデザインを依頼するときのエンジニアやデザイナー、事務処理関係のIT化について相談するコンサルタントなどの専門家との情報交換も重要です。
飲食以外には、お中元やお歳暮、取引先の担当者の昇進祝いなど、常識的な範囲内の金額であれば接待交際費として認められます。
経費として認められないケース
個人事業主は接待交際費を経費に計上できますが、中には経費として認められない費用もあるので注意が必要です。
- ひとりで行った飲食や娯楽費
- 家族や友人など、事業とは関係のない人との飲食や娯楽費
- 取引相手が参加していないゴルフなど
- 常識を超えた祝い金や贈り物
上記は明らかに事業とは関係のない支出とみなされます。
また、事業上必要な費用なのか、「家事」に関する支出であり事業とは関係のない費用なのか区分ができない場合は、原則的に経費としては認められません。
経費となるかどうか判断できない費用については、税務署に問い合わせましょう。
接待交際費以外にも経費になるか判断が難しい費用
接待交際費は経費にならないケースもあり判断が難しいものですが、ほかにも経費として計上できるのか迷う支出があります。
情報収集や勉強の費用
情報収集や勉強に必要な以下のような費用があります。
- 資格を取得するための教材費や受講料
- 業界関係情報誌の購読
- セミナー参加費
これらの費用については、対象となる資格や情報の内容が、経費として適切かどうか確認する必要があります。賃貸事業に関係のない資格や情報は、経費として認められない可能性があります。
趣味に関する資格取得や情報誌の購読などは、事業に間接的にも関係のないものと判断されると、経費として認められないので注意が必要です。
通信費
通信費は経費として認められますが、郵便切手やはがきなどは、仕事のためかプライベートか区別が付けられます。
多くの人が使うスマートフォンは、音声通話やデータの送受信、画像や動画の閲覧など、さまざまな用途で使用されます。また、スマートフォンを使う目的が仕事の場合とプライベートの場合と、単純に分けることができないものです。
そのため、仕訳をする際は業務用と家事用に分けて、業務用の分のみを経費として計上する必要があります。
インターネットプロバイダー料金や、スマートフォンの定額サービスなどは区分が難しく、区分方法に根拠がなければなりません。利用状況をデータ化するなどして根拠を明確にしましょう。
水道光熱費・家賃・車両関係費
個人事業で自宅兼事務所とする場合は、通信費と同様に水道光熱費も事業用と家事用に分ける必要があります。
自宅兼事務所が借家の場合は、家賃も同様の扱いになります。自動車についても、自家用車1台で仕事と家事に使っている場合は、車両関係費はすべて区分する必要があります。
根拠が明確で誰が見ても明らかな区分方法であれば、事業用として区分けした分は経費として認められます。しかし区分が明確でない場合は税務調査があったときなど、経費として認められないケースがあるので注意しましょう。
確定申告で押さえておくべきポイント!
確定申告を行う際、税理士などに依頼せず、自身で申告を行うケースもあるでしょう。そのときに注意するポイントなどについて解説します。
経費の重要性
不動産所得は、収入から経費を差し引いた金額のため、前年度よりも経費として計上する金額が増えると、収入が同じであれば不動産所得は減少します。つまり、経費として計上する金額が多いほど、課税される税金は軽減されます。
経費が増加する以上に収入が増加している場合は、不動産所得は増え所得税が上昇します。
重要なのは、経費が増えることにより手元に残る金額が減少していないかどうかです。減少する原因は、無駄な経費を使っている可能性があります。
経費が増えることによる節税効果と、手残りが減少するマイナス効果を検証する必要があるのです。
必要な経費は節約できませんが、必ずしも必要ではない経費は節約し手残りを多くする努力が必要でしょう。
関連記事:家賃収入にかかる税金の計算。所得額で違う税率や控除について解説
手続きの期限や方法
確定申告では、毎年2月16日~3月15日の期間で、前年の1月~12月までの収入と経費を計算して所得を確定させ、税務署に申請します。
確定申告は国税庁の「確定申告のページ」で、自分で簡単に行うことができます。
事前に賃貸物件ごとに1年間に得た家賃や礼金、権利金、更新料、名義書換料を一覧表でまとめておきましょう。また、預かり金である保証金や、敷金の12月末残高も物件ごとに記録しておきます。
青色申告か白色申告か
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2つの方法があります。以下の表のように適用条件に違いがあるため、賃貸事業の状況に適した申告方法を選択する必要があります。
青色申告 | 白色申告 | ||
---|---|---|---|
55(65)万円控除を受ける場合 | 10万円控除を受ける場合 | ||
税制の優遇措置 | 有 | 無 | |
申告方法の申請 | 事前に申請が必要 | 事前の申請は不要 | |
帳簿の形式 | 複式簿記 | 単式簿記でよい | 単式簿記でよい |
事業規模の要件 | アパートは10室以上、貸家は5棟以上 | なし | なし |
家事との按分による経費算入 | 事業按分が5割未満でも認められる | 事業按分が5割以上 |
白色申告は、比較的簡単な方法で確定申告ができます。
青色申告は事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出し、税務署の承認を得たうえで申告をします。
1月16日以降の新規開業の場合は、業務開始から2カ月以内に承認申請をします。ただし、3月15日が提出期限のため注意しましょう。
すでに事業を開始しており、その年の収入から青色申告にしたい場合は、その年の3月15日までに申請します。
青色申告のほうが経費のほかに特別控除が適用でき、節税効果が期待できます。また家事按分した場合に、5割未満であっても経費計上できる点が有利といえるでしょう。
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