公開日:2026.09.09 賃貸管理 賃貸物件防災の日防災対策火災保険水害地震火事不動産経営賃貸経営

賃貸物件の防災対策|災害に備えてオーナーが今から確認したいポイント

賃貸物件の防災対策|災害に備えてオーナーが今から確認したいポイント

9月1日は「防災の日」です。
この時期になると、自宅の防災用品を見直したり、避難場所を確認したりする方も多いのではないでしょうか。

一方、賃貸物件を所有しているオーナーの場合、自宅だけでなく所有している物件の防災対策についても考えておく必要があります。
地震や台風、大雨などの自然災害が発生すると、建物や設備が被害を受けるだけでなく、修繕費の発生や入居者への対応など、賃貸経営そのものに影響する可能性があります。

特に、自宅から離れた場所に物件を所有していたり、日々の管理を管理会社に任せていたりすると、「実際に災害が発生したとき、何をすればいいのか分からない」という方もいるかもしれません。

災害そのものを防ぐことはできませんが、平時から物件の状態や周辺の災害リスク、管理体制などを確認しておくことで、被害や混乱を抑えることにつながります。

この記事では、賃貸オーナーが今から確認しておきたい防災対策について解説します。

賃貸物件でも防災対策が重要な理由

賃貸物件でも防災対策が重要な理由

「賃貸物件の管理は管理会社に任せているから、防災対策も任せておけば大丈夫」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、自然災害によって所有物件に被害が発生すると、建物の修繕だけでなく、入居者への対応や賃貸経営の収支にも影響する可能性があります。

まずは、なぜ賃貸物件でも平時から防災対策を考えておく必要があるのか確認していきましょう。

台風・大雨・地震などの自然災害はいつ起こるか分からない

自然災害は、いつ、どこで発生するかを正確に予測することはできません。
地震だけでなく、台風や集中豪雨などによって、河川の氾濫や浸水、土砂災害などが発生する可能性もあります。

国土交通省も、梅雨から秋にかけては集中豪雨や台風などによる河川の氾濫、浸水、土砂災害などが発生しやすい時期としており、事前に地域の災害リスクや避難場所を確認することを呼びかけています。

特に複数の物件を所有している場合、物件ごとに立地や周辺環境が異なるため、想定される災害リスクも同じとは限りません。

「今まで大きな被害がなかったから大丈夫」と考えるのではなく、どのような災害が起こる可能性があるのかをあらかじめ確認しておくことが重要です。

建物の被害は賃貸経営にも影響する

自然災害によって建物や設備が損傷すると、修繕費が発生する可能性があります。

たとえば、

  • 台風によって屋根や外壁が損傷する
  • 大雨によって共用部や室内に浸水する
  • 地震によって建物や設備が破損する
  • 災害によって一定期間入居できなくなる

といったケースが考えられます。

被害の程度によっては、まとまった修繕費が必要になるだけでなく、入居者が退去したり、新しい入居者を募集できない期間が発生したりする可能性もあります。

つまり、自然災害による被害は「建物を直せば終わり」ではなく、毎月の家賃収入や今後の賃貸経営にも影響する問題です。

大きな災害が発生してから慌てて対応を考えるのではなく、余裕のある平時から備えておきましょう。

入居者の安全を守るという視点も重要

賃貸物件の防災対策を考えるうえでは、建物を守ることだけでなく、そこに暮らしている入居者の安全という視点も欠かせません。

避難経路が確保されているか、非常時に必要な情報を伝えられる状態になっているか、災害発生時の連絡方法が決まっているかなど、建物以外にも確認しておきたいポイントがあります。

また、防災への取り組みは、入居者が安心して生活できる環境づくりにもつながります。

「災害が起こったときにどうするか」だけでなく、「災害が起こる前に何ができるか」という視点を持って、物件の状態を見直してみましょう。

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賃貸物件が地震で倒壊!?大家はどうするべき?初動対応と事前対策を解説

地震によって所有している賃貸物件が被害を受けた場合、「まず何をすればいいの?」「オーナーにはどこまで責任があるの?」と不安に感じる方もいるでしょう。

こちらの記事では、賃貸物件が地震によって倒壊した場合の初動対応や、事前にできる対策について詳しく解説しています。定期点検や耐震対策、保険による備えなども紹介しています。

【おすすめポイント】

✅ 地震で物件が倒壊した際の初動対応が分かる
✅ オーナーが事前にできる地震対策を確認できる
✅ 地震発生時に備えて準備しておきたいことが分かる

災害に強い賃貸物件にするための3つの備え

災害に強い賃貸物件にするための3つの備え

防災対策というと、耐震工事や防災設備の導入など、大掛かりな対策をイメージする方もいるでしょう。

しかし、災害に備えるために確認したいのは、建物そのものだけではありません。

特に平時から確認しておきたいのが、

「建物・設備」
「周辺の災害リスク」
「入居者への連絡・避難体制」

という3つのポイントです。

ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

建物・設備の状態を整える

まず確認したいのが、建物や設備の状態です。

普段は問題なく使用できていても、外壁や屋根、排水設備などに劣化があると、台風や大雨などをきっかけに被害が大きくなる可能性があります。

たとえば、

  • 外壁にひび割れや剥がれがないか
  • 屋根や屋上に破損している部分がないか
  • 雨どいや排水設備に不具合がないか
  • 共用部の照明や非常灯に問題がないか
  • 階段や手すりなどにぐらつきがないか

などを確認してみましょう。

築年数が経過している物件では、目に見えない部分でも劣化が進んでいる場合があります。

過去の記事でも、外壁のひび割れ、屋根の劣化、配管の腐食などを放置すると、雨漏りや設備故障だけでなく、大きな事故につながる可能性があることを紹介しています。
自分だけで状態を判断することが難しい場合は、管理会社や専門家に相談しながら定期的な点検を行うことも検討しましょう。

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老朽化した賃貸物件が倒壊したら責任はオーナー?具体的な対策方法を解説

築年数が経過した物件では、建物の劣化を早期に発見し、必要な修繕を行うことが重要です。

こちらの記事では、老朽化による倒壊リスクや、目視で確認したいポイント、インスペクション、管理会社への相談など、物件のリスクを早期に把握する方法を詳しく紹介しています。

【おすすめポイント】
✅ 老朽化した物件で確認したいポイントが分かる
✅ 建物の劣化を早期発見する方法を学べる
✅ 倒壊などのリスクを抑えるための対策を確認できる

物件周辺の災害リスクを把握する

建物の状態とあわせて確認しておきたいのが、物件が建っている地域の災害リスクです。
同じような構造の建物であっても、河川の近くなのか、低地なのか、斜面に近いのかなどによって想定されるリスクは異なります。

そこで活用したいのが、ハザードマップです。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、住所などから、

  • 洪水
  • 土砂災害
  • 高潮
  • 津波

などの災害リスクを確認できます。
また、自治体が公開している各種ハザードマップや指定緊急避難場所なども確認できます。

オーナー自身が物件の近くに住んでいない場合、日常生活のなかで地域の災害リスクを意識する機会は少ないかもしれません。

一度ハザードマップを確認し、

「大雨が降った場合、どこまで浸水する可能性があるのか」
「近くに土砂災害のリスクはないか」
「入居者が避難するとしたらどこへ向かうのか」

などを整理しておきましょう。

入居者への連絡・避難体制を確認する

災害が発生した場合、建物の確認と同時に必要になる可能性があるのが入居者への対応です。

たとえば、台風や大雨が接近している場合は、必要に応じて入居者へ注意事項を案内したり、共用部に危険なものがないか確認したりすることも考えられます。

また、災害発生後には、

  • どの方法で入居者へ連絡するのか
  • 緊急連絡先は最新の状態になっているか
  • 避難場所や避難経路を共有できているか
  • 安否確認が必要な場合、誰が行うのか

などを確認しておくことが大切です。

実際に災害が起こってから連絡方法や役割を決めようとすると、対応が遅れる可能性があります。

管理会社へ管理を委託している場合は、災害発生時にどのような対応を行ってもらえるのかもあわせて確認しておきましょう。

台風・大雨が来る前に確認したい防災チェックリスト

台風・大雨が来る前に確認したい防災チェックリスト

防災対策は日頃から行うことが基本ですが、台風や大雨など事前に接近が予想できる災害の場合は、直前に改めて物件の状況を確認しておくことも大切です。

「何から確認すればいいの?」という方は、まずは次の3つからチェックしてみましょう。

✓雨どい・排水口・共用部に異常がないか

台風や大雨の前に確認しておきたいのが、水が流れる場所や屋外の共用部です。

具体的には、

✓ 雨どいや排水口にゴミや落ち葉が詰まっていないか
✓ 屋上やベランダの排水口がふさがれていないか
✓ 共用廊下などに飛ばされそうなものが置かれていないか
✓ 窓や扉などに破損や不具合がないか
✓ 以前に雨漏りした箇所に異常がないか

などを確認します。

排水設備に問題があると、大雨の際に水がうまく排出されず、浸水や漏水につながる可能性があります。
また、強風によって共用部に置かれているものが飛散すると、建物や周辺に被害を与える恐れもあります。

台風が接近してから慌てて確認するのではなく、日頃の管理・点検のなかで異常がないかチェックしておくことがおすすめです。

管理会社との災害時の対応を再確認する

管理会社へ日常的な管理を任せている場合でも、災害時の対応内容については一度確認しておきましょう。

たとえば、

✓ 台風や大雨の前に物件を点検してもらえるのか
✓ 災害発生後、誰が建物の被害状況を確認するのか
✓ 入居者への連絡は誰が行うのか
✓ 修繕が必要な場合、誰が業者を手配するのか
✓ 被害状況はどのようにオーナーへ報告されるのか

などです。

普段の管理業務に含まれている内容と、災害時の対応が同じとは限りません。
「管理会社に任せているから大丈夫」と思い込まず、災害が発生したときの連絡先や対応フローを確認しておくと安心です。

また、オーナー自身も管理会社から連絡を受けた際にすぐ判断できるよう、連絡が取れる状態にしておきましょう。

火災保険・地震保険の補償内容を確認する

建物の点検だけでなく、万が一被害が発生した場合に備えて、加入している保険の内容も確認しておきましょう。

「火災保険に入っているから自然災害もすべて補償される」とは限りません。

火災保険では一般に火災・落雷・破裂や爆発などが補償対象となり、商品やプランによって風災や水災などを補償に加える形があります。
補償内容は契約によって異なるため、自分の物件でどのリスクが対象になっているのか確認することが重要です。

また、地震による損害について備える場合は、火災保険だけではなく地震保険についても確認する必要があります。

保険証券や契約内容を見て、

✓ 風災は補償されるか
✓ 水災は補償されるか
✓ 地震に対する備えはあるか
✓ 免責金額はいくらか
✓ 保険金の支払条件はどうなっているか

などをチェックしてみましょう。

物件の立地や想定される災害リスクと補償内容が合っているか分からない場合は、保険会社や専門家へ相談することも一つの方法です。

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賃貸オーナーにおすすめの保険とは。火災保険の特約や保険料の相場も紹介。

賃貸物件を所有していると、火災だけでなく台風や大雨などによって建物に被害が発生する可能性があります。

こちらの記事では、火災保険の基本的な補償範囲に加えて、風災・水災などの補償や、賃貸オーナー向けの特約について詳しく紹介しています。

【おすすめポイント】

✅火災保険で補償される内容を確認できる
✅ 賃貸オーナー向けの特約について学べる
✅ 所有物件に合った保険を考えるポイントが分かる

災害対策は「起きてから」ではなく平時から考える

災害対策は「起きてから」ではなく平時から考える

大きな災害が発生すると、「もっと早く確認しておけばよかった」と感じることもあるかもしれません。

しかし、災害が発生した後にできることには限りがあります。

大切なのは、被害が起こってから対応するだけでなく、被害を少しでも抑えられるよう、余裕のある平時から物件の状態や対応体制を整えておくことです。

管理会社に任せきりにしない

管理会社に物件管理を委託していると、普段オーナー自身が物件の状況を見る機会は少なくなりがちです。

しかし、所有している物件の状態をオーナー自身がまったく把握していない状態はおすすめできません。

たとえば、

「前回建物を点検したのはいつか」
「現在修繕が必要な箇所はないか」
「台風時にどのような対応をしてもらえるのか」
「災害時の緊急連絡先はどこか」

などは、オーナー自身でも把握しておきたいポイントです。

管理会社は賃貸経営を支えてくれる重要なパートナーですが、すべてを任せきりにするのではなく、定期的に物件の状況について情報共有を行いましょう。

災害が発生した際に「何も分からない」という状態を避けることが大切です。

大掛かりな工事だけが防災対策ではない

「防災対策」と聞くと、耐震補強や大規模修繕など、多額の費用が必要になるイメージを持つ方もいるでしょう。

もちろん、建物の状態によっては専門家による診断や修繕工事などが必要になるケースもあります。

しかし、防災対策は大掛かりな工事だけではありません。

たとえば、

  • ハザードマップを確認する
  • 避難場所を確認する
  • 緊急連絡先を整理する
  • 管理会社との役割分担を確認する
  • 雨どいや排水口を定期的に点検する
  • 加入している保険の内容を確認する

といったことも立派な防災対策です。

まずは費用をかけずにできることから始め、そのうえで建物の状態や災害リスクに応じて必要な対策を検討しましょう。

「建物・入居者・管理体制」をセットで考える

災害に強い賃貸物件をつくるためには、どれか一つだけを対策すればよいわけではありません。

たとえば、建物の耐震性を高めても、災害時の連絡方法が決まっていなければ入居者対応に時間がかかる可能性があります。

反対に、連絡体制を整えていても、建物の点検が行われておらず設備の劣化が進んでいれば、被害が大きくなる可能性があります。

そのため、

① 建物・設備の状態を整える
② 入居者が安全に行動できる環境をつくる
③ 管理会社を含めた対応体制を整える

という3つをセットで考えることが重要です。

自然災害への備えは、一度確認したら終わりではありません。

建物は年数とともに劣化し、入居者の入れ替わりや管理会社との契約内容などによって状況も変わります。

防災の日や台風シーズンなどをきっかけに、定期的に見直す機会をつくってみてはいかがでしょうか。

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ここまで、賃貸物件で防災対策が重要な理由や、平時から確認しておきたいポイント、台風・大雨が来る前のチェック項目についてご紹介しました。

自然災害そのものを防ぐことはできません。

だからこそ、

「物件にはどのような災害リスクがあるのか」
「建物や設備に問題はないか」
「入居者への連絡や避難体制は整っているか」
「管理会社とはどのように連携するのか」
「被害が発生した場合、どのように対応するのか」

といったことを平時から考えておくことが大切です。

また、防災対策は建物や設備を守るためだけのものではありません。
入居者が安心して暮らせる環境を整えることは、入居者満足度や物件の魅力を高めることにもつながります。

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