【大家向け】賃貸の臭いトラブル対策|クレームにつながる原因や対策
賃貸経営をしていると、生ごみやペット、たばこ、排水口(下水臭など)などの臭いが原因でトラブルが発生することがあります。
臭いに敏感な人にとって、耐えがたい臭いの中で生活するのは苦痛でしかないため、入居者のクレームや退去になるおそれがあります。
オーナーは、このような臭いトラブルを軽く考えず、しっかりと対策をしましょう。
賃貸経営でよくある臭いトラブルと対策
臭いトラブルの代表格とその対策を紹介します。
臭いトラブルの対策として、臭いの原因または発生場所を特定するのが最重要なのはいうまでもありません。しかし、臭いの感じ方には個人差があり、客観的に臭いを感じるレベルかどうかは判断が必要です。
また、入居者の生活習慣やマナーが原因でトラブルが発生している場合、基本的に入居者へお願いするしか方法がありません。入れ替わり時なら、今後の契約を変更可能なので、トラブル内容に応じで対策しましょう。
生ごみの臭いトラブル
生ごみは臭いがきついため、通常は室内に長期間は放置できません。室内からの生ごみ臭でほかの入居者からのクレームがあった場合、すでにごみ屋敷化している可能性があります。
また、共同のごみ収集場に生ごみが散乱しており、近隣の物件にも迷惑をかけていると、オーナーの管理体制を問われかねません。
反対に、近隣の物件から生ごみ臭がしている可能性もあるため、現状の把握はしっかり行いましょう。
さらに、生ごみは虫を引き寄せます。入居者の住み心地に大きく影響しているため、衛生を保つように努める必要があります。
対策
生ごみの臭いが室内から発生していると推測できても、オーナーは勝手に部屋へ立ち入ることはできません。入居者に苦情があったことを知らせて、改善するように求めるのがセオリーです。
ごみ収集場での臭いトラブルについては、以下のような対策をします。
- ごみの分別や指定日の周知
- 張り紙をして注意喚起
- 見回り確認
マナーの悪い入居者を放置していると、ほかの入居者に退去されてしまうので早めに行動しましょう。
ペットの臭いトラブル
ペットの場合、臭いトラブル以前に、契約上で禁止していても隠れて飼っているケースが考えられます。
また、ペットそのものが発する臭いよりも、排せつ物の臭いがトラブルになりやすいです。
ペット可の賃貸物件でも、開放空間なら大丈夫だろうと考えて、マンションのバルコニーでペットに排せつさせる入居者がいると、クレームになる可能性があります。
対策
室内に染みついてしまったペットの臭いは、脱臭と除菌、床、壁(壁紙・下地)の張り替えで改善できるでしょう。
しかし、契約上でペットを飼える物件かどうかでオーナーの対策は異なります。
もし、ペット不可の場合はそもそも契約違反のため、契約解除までは難しくても損害は賠償請求できる可能性があります。契約時に、契約解除や損害賠償の定めをしておくとよいでしょう。
なお、ペット可の物件でも臭いトラブルが発生した場合は、以下を入居者にお願いしましょう。
- 排せつ物の適切な処理
- ケージ内での飼育
- バルコニーなどの室外へ出さない
今後ケージ内で飼える小動物に限定するのも有効です。
関連記事:ペット可の賃貸物件は需要が高い?現状と人気の設備や特約を紹介
たばこの臭いトラブル
契約上で禁煙になっていない限り、喫煙は入居者の自由ですが、たばこには受動喫煙による周囲の人に対する健康上の問題があります。単に臭いが嫌だというクレームだけでなく、健康被害を訴えてくるケースもあり、軽視できません。喫煙している本人には臭いの自覚がないのもやっかいな点です。
通常、たばこの煙は下の階から上の階へと流れます。そのため、入居者がバルコニーで喫煙をしたり、窓を開けて外へ煙を出したりすると、上の階からのクレーム(臭いが気になる、洗濯物に臭いがついたなど)になりやすいです。
対策
ほかの部屋との臭いトラブルは、喫煙場所(排気場所)を変えてもらうだけで効果があるかもしれません。
しかし、室内に染みついた臭いを取り除くには、脱臭や壁紙・下地の張り替えが必要です。
また、前述したとおり、たばこの煙は上に流れる性質があるため、2階建てのアパートでは1階を禁煙にすると臭いトラブルを軽減できるかもしれません。
空室になった場合は、次の入居者のためにも喫煙問題についてよく考えることをおすすめします。禁煙を契約条件とするか、喫煙可能なエリアを限定してもよいでしょう。
関連記事:賃貸オーナーができるベランダの喫煙対策。トラブルに発展してしまったら?
排水口からの臭いトラブル
排水口の臭いトラブルには、以下のような原因が考えられます。
- 汚水が漏れている
- 排水管内部の汚れ
- トラップの封水切れ(空室の場合)
トラップとは、排水口から近い場所にU字型などで設置される排水管の「曲がり」で、水(封水)がたまる仕組みのことです。これにより、下水や排水から有害な臭いやガスが室内に侵入するのを防いでいます。
対策
排水口からの臭いトラブルは、発生源である設備の問題を改善するだけで解決できますが、修繕費用がかかるのが痛いところです。
ただし、空室期間が長く、単にトラップの封水切れなら、通水するだけで改善するかもしれません。
封水切れ以外が原因のときは、必要なら水道工事会社に依頼して、水回りの排水管をチェックしてもらいます。ただし、目に見える範囲に臭いの発生源がない場合は、どこかに穴を開けたり、ほかの設備を外したりして特定する作業が増えます。
また、古い建物ではトラップが付いていない場合もあり、臭いの原因を特定するには、配管以外の部分に手を加える必要があります。そのため、工事が大がかりになる傾向があります。
最終的には、状態に合わせて配管洗浄か防水処理、排水管の交換が必要です。
臭いが原因で入居者が決まらないことも!
入居者の内見時には、最初の印象が重要です。部屋に入って嫌な臭いがあると、まず入居を希望してもらえません。臭い対策は、空室時こそ徹底的に行い、原因を究明する必要があります。
入居中よりも空室のほうが発生源を調べやすく、複数箇所の修繕が必要な場合でも時間をかけられます。入居率アップは、賃貸経営で成功するために欠かせない大前提です。クレームがある前に対応することを心がけましょう。
臭い対策にかかる費用
入居者の生活習慣やマナーによる臭いトラブルは、入居者へ改善を求める取り組みが必要ですが、費用は発生しません。
一方で、室内外の修繕が必要な場合、臭う場所や程度によって金額は異なりますが、費用がかかります。
壁紙や床の張り替え費用
臭いは壁や床に染みつくため、傷とは異なり、補修には適しません。そのため、脱臭や除菌で消えないほど臭いがひどいときは、張り替えが前提になります。
費用の目安 | |
---|---|
壁紙の張り替え | 1㎡あたり1,000円~ |
壁の下地張り替え | 1㎡あたり2,000円~ |
フローリングの張り替え | 1畳あたり3万円~ |
クロスやカーペットの張り替え | 1畳あたり1万円~ |
畳の表替え | 1畳あたり5,000円~ |
畳の入れ替え | 1畳あたり1万5,000円~ |
もっとも、張り替えが必要なほど臭いが染みついている場合、通常の経年劣化とはいえません。臭いの原因が入居者にある場合は、敷金(保証金)で相殺するか、入居者に負担を求めることもできるでしょう。
排水管の修繕費用
排水口の臭いトラブルは、排水管の洗浄で改善する場合もあれば、漏水で配管ごと交換になる場合もあります。場所によっては、床や壁、天井を含めた工事が必要です。
そのため、10万円を超えたり、それ以上にかかったりするケースがあり、費用には差があります。
排水は下に流れるため、水回りのある場所よりも下に配管が通っています。そのため、床を開けて修繕するか、下の階の天井側からアクセスするかなど、構造によって異なる修繕方法があります。また、各部屋の配管なのか、合流後の配管なのかなどといった違いもあります。
さらに、部屋の外でも臭いがする場合は、屋外に設置された排水マス(排水に含まれる異物を分離するために設けられるマス)が原因の可能性もあります。
排水管など水回りの臭いは自己判断で対処するのは難しく、改善するには専門家に相談することが重要です。
関連記事:賃貸物件での漏水の修理費を負担するのはだれ?アパート経営での水漏れの対処法
日ごろの収支管理が重要
臭いトラブルの原因は、人的なものから物理的なものまでさまざまです。そのため、賃貸オーナーは、想定外の事態にも対応できる資金的な余裕が必要です。
そのためには、日ごろから収支管理を徹底的に行う必要があります。収支管理を簡単かつ正確に行うには、ビズアナオーナーがおすすめです。
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