空き家の活用方法7選!賃貸ビジネスを成功させるためのコツも

空き家を放置すると、税金の負担があるだけでなく、周辺地域とのトラブルに発展するおそれがあります。
一方で、空き家は大きなビジネスチャンスを秘めているかもしれません。活用することで収益を得るだけでなく、地域の活性化や景観の向上にも貢献できます。
空き家の活用方法や賃貸ビジネスを成功させるコツを紹介します。
空き家は社会問題化している
総務省統計局「1.人口 人口減少社会、少子高齢化」によると、日本における総人口は2008年の1億2,808万人がピークであり、その後は右肩下がりです。
一方で、65歳以上の人口比率(高齢化率)は30%弱と高齢化社会が進んでいます。
人口の低下だけでなく、高齢化も介護施設や老人ホームを生活の基盤とする数が増加するため、住宅利用率の低下につながります。
結果として、都心部では人口が増加しているものの、人口減少が顕著な地方や田舎では過疎化が急激に進行し、需要が低く処分ができない家が増加しています。
総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 結果の概要」によると、平成30年時点で国が把握している空き家の数は848万9,000戸です。実際はこれ以上に空き家は存在しており、今後これからも増え続けていくでしょう。
詳しくは後ほど解説しますが、空き家の増加は、管理不足による地域への影響や、犯罪の温床となるリスクを抱えています。そのため、国や地方公共団体は、空き家問題として対策を進めています。
空き家を放置するリスク
空き家を放置するリスクをいくつか紹介します。
税金の負担がある
使っていない空き家でも、所有者は固定資産税などの税金を支払い続ける必要があります。
また、2014年に成立(2015年施行)した「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、特定空き家に認定された場合、固定資産税と都市計画税の減税対象から外れるため、増額する点には注意が必要です。
住んでいない、使っていない住宅に対して税金を支払うことは、金銭面ではマイナスでしかありません。
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倒壊の危険性がある
日本における空き家の大半が、旧耐震基準が適用された1981年以前の建築物件です。
現在の耐震基準であれば、震度6強や震度7まで耐えられることを条件として建設されていますが、旧耐震基準では震度5強を基準としています。
南海トラフ地震を危険視する声が多く、最近は震度6程度の震災が珍しくない状況においては、放置された空き家は倒壊の危険があります。壁の亀裂や床の傾きなど明らかな症状にも気づけないのは大きなリスクといえます。
周辺地域への影響がある
空き家の管理を怠ると、害虫や害獣の増加、衛生状態の悪化、建物が痛むなどの影響があります。また、物件はもちろん、周辺地域に対しても損害を与える可能性が増加します。
実際に空き家数の増加に伴って、隣接する土地所有者や地方公共団体から裁判を起こされるケースもあります。
しかし、田舎にある家を相続した場合、管理をするにも遠すぎて行けないということも珍しくはありません。
犯罪の温床になるおそれも
誰も住んでいない空き家であるかどうかは、郵便受けのチラシや管理状況を見れば一目でわかります。そのため、犯罪の餌食となりやすいことも事実です。
たとえば、大型家電やゴミの不法投棄、放火などのリスクがあります。また、空き家を利用した大麻栽培などの事件が発生したこともあり、犯罪の温床となるかもしれません。
空き家の活用方法7選
社会問題化している空き家ですが、ビジネスとして空き家を活用した成功事例もあります。具体的には、以下の活用方法が考えられるでしょう。
- 賃貸化
- 等価交換
- ショップ経営
- シェアハウス
- コワーキングスペース
- 民泊
- 土地活用
上記以外にも、地域のコミュニケーションスペースとして利用するなど、幅広い選択肢があります。
賃貸化
空き家活用のビジネスとして成功事例が多いのが、賃貸として利用する方法です。
賃貸化すると、家賃収入が得られるだけでなく、借主に空き家の管理まで行ってもらえるので一石二鳥の方法といえます。
定期借家契約にすれば、賃貸化する期間を定めることも可能なため、将来的に利用の可能性がある場合も安心して活用できます。
等価交換
等価交換は都心部でよく見かける活用方法で、主に土地を不動産会社に譲渡し、その土地の価格と同等の所有権を得る手法です。
たとえば、空き家を土地と合わせて3,000万円相当額として不動産会社に譲渡し、購入した不動産会社はマンションやアパートを建設します。建設後に3,000万相当の区分所有権(部屋)を得るというものです。
ショップ経営
空き家をショップ経営希望者に店舗として貸し出す方法です。美容院や整骨院、また古民家カフェなど、その業態はさまざまで、成功事例も多くあります。
特に、「古民家」というワードは、築年数の古さをメリットに変える魔法として利用される傾向にあります。
シェアハウス
特に築年数が経過している空き家は、DIYやペイントなどを認めることで美学生やインテリアに興味がある学生から人気を得られる傾向にあります。
また、自由度を認める見返りとして、多少の故障や破損なども借主が自ら補修してくれるメリットもあります。
コワーキングスペース
新型コロナウイルスの流行でリモートワークが増え、近年、急激に需要を増加させているコワーキングスペースも、空き家との相性がよいビジネスです。
最低限の準備として、Wi-Fiと机と椅子があれば活用でき、初期投資が抑えやすいのが特徴です。
また、主な利用者が会社員のため、利用マナーがよい傾向にあることもメリットといえるでしょう。
民泊
リノベーションは必要ですが、ある程度の初期投資で利益を大きく得られるのが民泊として空き家を活用する方法です。
田舎の場合は集客が難しいと考えられやすいですが、周辺に宿泊施設が少ない=ライバルが少ないともいえ、自然を利用した集客ができる可能性があります。
また、インバウンドとも表現される訪日外国人観光向けにする方法と、近隣の都心部からの集客を目指す方法が考えられます。
土地活用
空き家を解体して、土地を活用する方法もあります。
解体費用や新しい設備の費用がかかりますが、コインランドリーやトランクルーム、駐車場、太陽光発電など、選択肢が幅広く、立地に応じた手法を検討することが可能です。
空き家の賃貸を成功させるためのコツ
空き家を賃貸として貸し出す場合は、以下の2点が重要です。
- 需要と供給を把握する
- 収支に関するキャッシュフローを追いかける
そのためには、賃料相場を含めた市場調査を行うことが重要です。
適切な賃料を設定する
空き家の賃貸化では、賃料をいくらにするのかが一番の悩みどころです。
簡単に考えれば、不動産を所有することで必要となる税金+経費を上回るように設定するのが基本です。
さらに、周辺相場を考慮して算出する必要があります。相場から大きく離れず、それでいて差別化を図れる適切な賃料を設定しましょう。
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リフォームは費用対効果を考える
リフォームの有無は、賃料設定にも影響があります。
ただし、前述したように、DIYの自由度を認める代償として、軽微なリフォームも任せる方法もあります。
リフォームをするかどうかは、費用対効果を考える必要があるでしょう。特に空き家になるような不動産は賃料が低くなりやすいため、経費はできるだけ抑える方法を考えるのが基本です。
関連記事:不動産所得で経費になる接待交際費はどこまで?具体的なケースを紹介
地理を生かした売り方をする
田舎というとデメリットに聞こえますが、郊外や閑静な街と表現するとメリットといえるでしょう。このように、空き家のある場所には、その場所ならではのメリットが見つかる可能性があります。
たとえば、以下のようなアピールポイントがあるかもしれません。
- 近くに温泉がある
- 美味しいお店がある
- 川遊びができる
- 星がきれいに見える
地理を生かした売り方は、無料でできるビジネスチャンスです。
ビズアナオーナーを活用する
前述したように、空き家の賃貸を成功させるには、適切な賃料査定や需要の把握が重要です。しかし、自分だけで調べるのも大変ですし、不動産会社へ問い合わせて担当者とやり取りをするのには手間や時間がかかるため、避けたいと考える方もいるかもしれません。
空き家の賃貸化を検討したら、まずはビズアオーナーを利用しましょう。
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需要と供給を知るヒントにもなるため、空き家の賃貸を成功させるためにも、チェックしておきましょう。
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