アパートのメンテナンス箇所と費用を紹介!賃貸オーナーに与える影響や注意点も

アパート経営をするうえで、物件のメンテナンスは資産価値の維持や入居者の確保のためにも欠かせません。オーナーは、適切なタイミングで適切な対処ができるように資金計画を立てる必要があります。
アパートの具体的なメンテナンス箇所や費用を紹介します。また、資金面から考える計画の立て方も確認しましょう。
アパートのメンテナンスで何が変わる?
まず、メンテナンスの有無がアパート経営にどのような影響を与えるのかを理解しましょう。
物件の資産価値
アパート経営の収支を安定させるために、メンテナンスなどにかかる出費は抑えたいものです。
しかし、メンテナンスが不足すると、結果としてアパート自体の資産価値を低下させます。
アパート経営では、最終的に物件を手放すことで収支が確定します。メンテナンスにかける費用を渋った結果、それ以上に資産価値を大きく減らし、物件が売却できないようでは本末転倒です。
入居率
新築のタイミングが過ぎたあとは、どんなアパートも中古物件と変化していきます。
リサイクルショップなどで、中古の商品が傷や痛みによって値付けが変わっているように、メンテナンスが不足しているアパートは、それ相応の家賃設定が求められます。
当然ながらボロボロのアパートでは、安い家賃しか得られません。そうしなければ入居率が低下し、収入が減少していく悪循環に陥ります。
メンテナンスは、中古物件をできるだけ新築に近い状態を保つことがひとつの目的です。
安全性
アパートのメンテナンスが不足すると、築年数以上の老朽化に陥ります。
近年、日本国政府も老朽住宅の増加を問題視しており、2020年には「マンション管理適正化法」の改正を行いました。この改正では、マンションにおける修繕計画や積立状況に対して関与する権限を所持するようになりました。
また、2015年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されており、戸建て住宅の空き家対策にも力を入れています。
アパートの老朽化は災害だけではなく自然損壊、または最悪の場合は倒壊する危険性があります。
アパートのメンテナンス箇所と費用
アパートのメンテナンスは大きく分けると、以下の4種類があります。
- 大規模修繕
- 予防修繕
- 設備交換
- 原状回復
なお、上記以外にも共用部の電球交換など細かなものも存在します。
大規模修繕
大規模修繕とは、屋根や外壁など、比較的大がかりに行う定期的なメンテナンスのことです。
国土交通省が定める「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」では、10戸の木造住宅において以下の指針を示しています。
築年数 | 修繕箇所 | 費用の目安(円/戸) |
---|---|---|
5~10年目 |
|
9万 |
11~15年目 |
|
64万 |
16~20年目 |
|
23万 |
21~25年目 |
|
98万 |
26~30年目 |
|
23万 |
合計すると、1戸あたり約216万円です。
つまり、10戸のアパートですので、216万円 × 10戸=2,160万円を収支計画に組み込んでおく必要があります。
予防修繕
予防修繕とは、老朽化による損壊や劣化を未然に防ぐための修繕であり、予防保全や予防点検とも称されます。
予防的な意味合いが強く必要性が見えにくいため軽視されがちですが、建物の劣化進行を改善する効果があります。結果として全体的なメンテナンス費用を抑制することにつながるでしょう。
予防修繕の代表としては、以下の2つが挙げられます。
- シロアリの駆除
- 外壁調査
シロアリの駆除
シロアリは、アパートなどの建物の建材となる木材を食べるため、天敵といわれています。
暗い場所と、木材の中でも「柔らかい木材」を特に好むため、室内で発見されることは少なく、屋根裏など湿気が高く、主に人がいない場所に存在します。
そのため日常生活では見つからないことが多く、メンテナンスを実施して初めて存在に気づくケースも少なくありません。
鉄骨・鉄筋コンクリート造のアパートの場合、シロアリ対策が軽視されやすいですが、土台部分に木材を用いることも多く、対処を怠れば建物倒壊の危険があります。
シロアリ対策には、建物への侵入を防ぐバリア工法と、すでに侵入したシロアリを駆除するベイト工法があります。1㎡あたり3,000円、坪単価で約1万円が相場です。
外壁調査
外壁の調査方法は、以下の2種類があります。
- 打診調査
- 実際に外壁をたたいて調べる
- 赤外線調査
- 赤外線カメラを用いて温度の変化から調査する
打診調査は実際に壁をたたくため、2階以上は足場を組んで実施します。そのため、1㎡あたり約800〜1,000円と費用が高くなります。
一方、赤外線調査はスペースさえあれば実施でき、職人の熟練した技術を求められないため、1㎡あたり約500円が相場です。
どちらも精度が高い調査ですが、交互に実施すると、より高い調査結果を得られるでしょう。
設備交換
設備を長く使っていると経年劣化によって不具合が生じるため、交換が必要です。
大きな設備だと浴槽やキッチン、またはトイレといった水回りのものがあります。一方、小さなものでは、エアコンや給湯器、ウォシュレットが該当するでしょう。
主な設備 | 交換の目安(年) | 交換費用(円) |
---|---|---|
エアコン | 10年~12年 | 10万~15万 |
給湯器 | 10年~15年 | 15万~20万 |
ウォシュレット | 10年 | 8万~10万 |
トイレ | 8年~10年 | 5万~15万 |
キッチン | 15年~25年 | 20万~50万 |
浴槽 | 15年 | 50万~80万 |
また、契約形態によっては室内の照明やインターネット回線のルーターなども交換が必要です。
関連記事:空室対策のアイデアとは?アパート経営でリスクを減らす方法を解説
原状回復
原状回復は、主に入居者が退去した際に行います。ワンルームのハウスクリーニングであれば1万〜2万円が相場で、水回りがそれぞれプラスで約1万円です。
また、壁紙やフローリングの補修や張り替え、建具の補修など、減価償却に配慮しながら入居者との負担割合を決めます。
参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
メンテナンス計画の考え方
アパートのメンテナンスにおいて重要なのは計画性です。
資金が不足してメンテナンスが不足すれば、前述したとおりアパートの資産価値は低下します。さらに入居率の低下で家賃収入が減少し、結果として資金繰りが悪化する悪循環に陥ります。
アパート経営全般にも通じることですが、長期的な計画を考えておくことは大きなポイントです。
計画の考え方のひとつとして、収入と支出を軸とする方法があります。
たとえば、年間120万円の家賃収入の場合、積立も含めて1年に120万円以上のメンテナンス費用をかけても赤字となり、本末転倒です。
長期的な目線で家賃収入を算出し、そのうちの何割をメンテナンスや設備投資に費やすのかを計算しておきましょう。言い方を変えると、家賃収入が計画を下回る場合、アパート経営を続けるのはリスクがあるかもしれません。
メンテナンス費用を抑える方法
アパートのメンテナンス費用を抑えるために意識するべきポイントがあります。
メンテナンスが簡単な建築材料を選ぶ
建物の形状が特殊な場合、メンテナンス作業には時間がかかります。一般的に施工料金の人件費は単価×時間で計算されるため、時間が長くなればメンテナンス費用も高額となるでしょう。
また、素材の流通量が少ない場合、価格は高騰しやすく、また素材自体が見つからず個別対応となることも考えられます。
建築材料をメンテナンスの簡単なもの、また王道の素材を使用すれば、費用を抑えられます。
早期発見・早期対応を意識する
早期発見・早期対応は最も重要なポイントです。
メンテナンスは早ければ早いほど費用は安く、簡単に修理補修を行うことが可能です。特にシロアリ被害を受けた住宅を補修するには、多額の費用負担が発生します。
定期的なメンテナンスが、結果として費用の削減につながります。
COSOJIを利用する
「COSOJI」とは、アパートで必要なメンテナンスをスマートフォンやパソコンで地域の作業員へ直接依頼ができるサービスです。メンテナンスが必要になったタイミングで簡単に依頼から作業確認、決済まで行えるうえ、通常の業者を通して依頼するケースに比べて大幅に費用を押さえられます。
COSOJIには、たとえば、原状回復や設備交換だけでなく、外壁などの状態を遠隔で確認できるメニューもあります。費用を抑えてこまめにアパートのメンテナンスをしておけば、水漏れなど手遅れとなるような事態を防ぐことに役立つでしょう。
また、COSOJIを利用する際は、ビズアナオーナーへの登録もしておくのがおすすめです。ビズアナオーナーとは、収支管理を自動化できるサービスです。管理会社からの収支報告書を送るだけで簡単にデータ化でき、効率的・簡易的にアパートの収支を管理できます。
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