公開日:2024.06.12 / 最終更新日:2024.09.18 賃貸管理 不動産投資賃貸経営

賃貸経営における失敗を解説。成功のポイントや賃貸市場の将来も考察

賃貸経営における失敗とはどういったものなのでしょうか。賃貸経営がどのように失敗するのか、その原因や事例、成功のポイントについて解説します。

賃貸経営で失敗するとはどういったことか

賃貸経営における失敗とは、以下のような状況のことです。

  • 家賃収入がなく自己資金でローンを返済している
  • 賃貸物件を売却してもローンが残ってしまう
  • 想定外の借金のせいで経営が苦しくなる

ひとつずつ見ていきましょう。

赤字でローンを返済している

空室が埋まらず家賃が入らない状況は避けなければいけません。家賃収入がないと、ローン返済の資金や管理費を自己資金から捻出することになります。

多くの場合は、家賃収入からローンの返済などを行っているはずです。

空室を埋めるために値下げを行う人もいますが、その結果収入が減り収支が悪化します。安易な値下げが空室解消につながるわけでもありません。

家賃でローン返済や管理が行えない状態は、賃貸経営における失敗といえるでしょう。

賃貸物件を売却してもローンが残ってしまう

自己資金が底をついてしまうと、物件の売却も考えなくてはなりません。しかし、空室の多い賃貸物件は買い手が少なくなります。

空室が多い物件にはそれなりの理由があります。人気のないエリアだったり、築年数が古く建物の劣化が進んでいたりします。

そのため、売却のために価格を下げる必要もでてきます。結果として売却してもローンが完済できない場合があります。

関連記事:不動産投資における賢い出口戦略の立て方!基本的な考え方や注意点を紹介

想定外の借金のせいで経営が苦しくなる

賃貸物件の修理や、空き室対策で設備を新しくした場合、その費用が想定以上にかかって経営を苦しくさせる場合があります。

通常アパートをはじめとした賃貸物件は築年数の経過に伴い老朽化し、修繕の費用が高額になります。突発的な設備の故障などで修繕が必要になることも珍しくありません。

投資額に対してマイナスとなれば、賃貸経営は失敗したことになります。

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賃貸経営で陥りやすい失敗理由

賃貸経営で失敗する理由を見ていきましょう。
以下では、借主が入居する前、入居中、その他の3つの状況に分けて紹介します。

借主が入居する前のありがちな失敗例

まずは、借主が入居する前の失敗例を紹介します。

  • 家賃下落を想定していない
  • オーナーチェンジ物件を安易に購入
  • 立地が悪い物件を購入

順番に見ていきましょう。

家賃下落や空室を想定していない

通常、賃貸物件は築年数が長いほど需要が下がります。家賃も築年数の経過とともに下落する場合が多く、ある程度の空室の発生と家賃の下落は想定しておく必要があります。

空室リスクを軽減してくれるものとして管理会社とのサブリース契約がありますが、近年は賃料減額をめぐるトラブルなども発生しています。

サブリース契約とは、管理会社が物件をいったん借り上げ、入居者に転貸する形式のことです。家賃保証されている場合が多いため、入居率に関わらず管理会社から一定の金額を得られるメリットがあります。

しかし、空室が増えたことなどを理由に、契約後に保証金額の引き下げを要求されるケースがあります。サブリース契約はメリットが多いですが、デメリットもあるので注意が必要です。

オーナーチェンジ物件を安易に購入する

賃借人が入居した状態で売りに出されている収益不動産を、オーナーチェンジ物件といいます。

オーナーチェンジ物件は、すでに賃借人に賃借権が発生していてオーナーの権利に制限があるなどの理由で新築物件よりも安く購入できます。

しかし、築年数が経っていることからすぐに修繕費用が発生したり、問題のある人物が入居しているなど、デメリットを抱えている場合があります。

オーナーチェンジ物件を購入する場合は、利回りだけでなく過去の入居者トラブルがないかなども確認することが大切です。

立地が悪い物件を購入

物件のある地域が需要の少ない場合には、賃貸経営が失敗する可能性があります。

立地の周辺環境は賃貸経営に大きく影響します。最寄り駅からの距離やショッピングモールなどが近くにあり買い物がしやすいかどうか、などは入居者が重要視します。立地の良い物件を購入するようにしましょう。

また、付近にある1つの工場や大学の職員、学生だけをターゲットにした賃貸物件の場合、その工場や大学が移転してしまうと、需要が激減するケースもあります。

1つの需要に頼るのはリスクが大きいので、複数の需要を持つエリアを選びましょう。

借主が入居中のありがちな失敗例

次に借主が入居中にありがちな失敗例を2つ紹介していきます。

  • 家賃滞納などの入居者トラブル
  • 管理が行き届かず退去者が増える

順番に解説していきます。

家賃滞納などの入居者トラブル

入居者トラブルが賃貸経営に与える影響は大きいです。代表的なものとしては家賃の滞納があります。これは経営に直接影響してくるので絶対に避けたいトラブルです。

また、夜逃げや騒音、ごみの出し方・共用部の利用にまつわる入居者同士のトラブルもあります。

それぞれの問題に適切に対処しないと、空室が増える原因にもなりかねません。

対策としては、入居希望者の支払い能力をしっかり審査する、日常の管理業務を不動産管理会社に委託するといった方法があります。

関連記事:家賃滞納の発生から立ち退きの強制執行までの流れを解説

管理が行き届かず退去者が増える

管理が行き届いていないため、退去者が増えてしまうトラブルもあります。

エントランスや廊下などの共用部の清掃や消耗品交換などを怠ると、共用部が少しずつ荒れてしまいます。

「共有部分の掃除が行き届いていない」などの不満を持たれると、入居希望者が減るだけではなく、既存の入居者が退去する可能性も高まります。

その他の失敗例

最後に借主が入居後にありがちな失敗例を2つ紹介します。

  • ローン返済が滞り物件を売却
  • 建物のメンテナンスを怠る

1つずつ解説していきます。

ローン返済が滞り物件を売却

賃貸経営を始める場合、多額な資金が必要なためローンを組む人がほとんどです。しかし空室が続くなどして収入が減り、ローン返済が滞ってしまう場合もあります。

場合によっては、物件を売却する必要があるかもしれません。このような失敗を防ぐため、綿密なローン返済の計画は欠かせません。収入が減ることも想定に入れて自己資金を多めに用意しておきましょう。

持っている土地を活かして賃貸経営を始める場合は、土地の取得費用がかからないため費用を抑えることができます。

しかし、持っている土地に賃貸需要があるのかを確認する必要があります。最寄りの駅との距離や集客施設の有無など、周辺環境を事前に調査して人が集まるか判断しましょう。

建物のメンテナンスを怠る

建物をこまめにメンテナンスしなかったために、劣化や老朽化が進み、入居率が下がる場合があります。

賃貸物件のメンテナンスには、エアコンや給湯設備などの交換から外壁・屋根などの大規模な修繕まであります。老朽化が進むと空室率が上がり、キャッシュフローが悪化して、修繕のめどが立たない事態に発展することもあります。

修繕資金を確保して、こまめな点検とメンテナンスを心がけましょう。

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賃貸経営が投資方法として人気の理由

ここまで、賃貸経営の失敗例を見てきました。しかし、失敗事例やリスクなどを考慮しても賃貸経営は人気です。

賃貸経営の人気を裏付ける理由には主に以下の2つがあります。

  • 不動産投資市場は伸びている
  • 物件オーナーの年収は上昇傾向

順番に解説していきます。

不動産投資市場は伸びている

国土交通省が発表した「不動産価格指数」によると、不動産価格は全国的に上昇傾向にあります。

金利が上昇すると不動産価格が下落する傾向にある中、2023年秋に大手銀行の住宅ローン金利引き上げなどが行われましたが、不動産価格は下落することなく上昇傾向となりました。

日本不動産研究所が2022年10月に実施した「不動産投資家調査」によると、今後1年間の不動産投資に対する考え方として95%の市場関係者が「新規投資を積極的に行う」と回答しています。

今後も不動産投資市場は伸びていく可能性が高いといえるでしょう。

関連記事:不動産投資で重要な市場・周辺調査の目的を解説。市場規模やリサーチのツールも

賃貸物件オーナーの年収は上昇傾向

賃貸物件オーナーの年収はどれくらいなのでしょうか。

国税庁が実施している「申告所得税標本調査」によると、過去5年の2018年から2022年までの不動産所得の平均額は年々伸びており、2018年518万円、2019年521万円、2020年540万円、2021年543万円、2022年543万円となっています。

平均所得額の推移

賃貸物件オーナーの年収は上昇傾向にあるといえます。

なお、この調査における不動産所得者は、アパートやマンションだけでなく、ビルをはじめとした事業用不動産を含めた不動産投資で所得を得た人を対象としています。

何年で元がとれる?

一般的には、賃貸経営における資金回収期間は5~10年が理想だといわれています。回収期間を短くするためには「家賃を高く設定する」「自己資金を減らして諸経費の削減を行う」などの方法が有効ですが、これらの方法は空室リスクを高める可能性があります。

また、回収期間の設定を長くした場合は建物の老朽化などにより修繕が発生し、資金を回収する前に大きな出費がかさむ恐れがあります。

事前にシミュレーションをして、資金の回収に適切な期間を想定しておきましょう。

物件種別ごとの賃貸経営のメリット・デメリット

不動産賃貸経営といってもアパートだけでなく戸建てや駐車場の賃貸もあります。
それぞれの主なメリット・デメリットは以下の表にまとめました。

メリット デメリット
アパート
  • まとまった金額の収入が得られる
  • 収入が安定しやすい
  • 賃貸需要が多い
  • 節税効果が大きい
  • 初期費用が高い
  • 戸建て日々のメンテナンスが必要
戸建て
  • 供給量が少ない
  • 初期費用を抑えられる
  • 長期的な入居者を見込めるため空室リスクを抑えられる
  • 管理の手間が少ない
  • 収益性が低い
  • 空室時の影響が大きい
駐車場
  • 初期費用が低い
  • 狭い土地でも活用できる
  • 災害リスクが低い
  • 収入が低い
  • 節税効果が薄い

アパート経営は初期費用が多額で手間がかかりますが、収益は大きく安定的です。
「長期間にわたってまとまった収入を得たい人」「高年収の人」「好立地のアパートを相続した人」が向いています。

また、アパート経営は節税効果が大きいため、相続税対策に利用する方もいます。アパート経営の経費を計上することで、ほかの所得と損益通算して所得税を低く抑えられるのです。

本業で多くの収入を得ている方に適しているといえます。

また、好立地のアパートを相続した場合も、初期費用がかからないことから安定的にアパート経営を行える可能性が高くなります。

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